Vol.855

2026年3月 満月のたより

共振する宇宙

Photo by Susan Wilkinson on Unsplash

今月も皆さまに素敵な出会いをお届けできれば幸いです。

2026年3月 満月のたより

共振する宇宙

あなたは氣づいていますか?
あなたの発した声が波紋となって世界へ広がっていることを。

混沌の宇宙に秩序の波を起こした天地創造の響きは
いまこの瞬間もあなたのなかで波打っています。

声を奏でる楽器としての体を調律し
宇宙と共振する自分の声と出会うための満月号。

自分を変え、世界を変える
音の神秘へと踏み出してみましょう。


われわれは世界を変えようとするなら、
そのまえにわれわれ自身を変えなくてはいけない。
それ以外の道はすべてばかげている。
それらは改善するどころか悪化させてしまう。
なぜならわれわれは、自分たちが実行しようとする
政治的、経済的、社会的解決策のどれにもすべて、
われわれ自身のうちにあるよからぬものを持ち込んでしまうからだ。

– J・E・ベーレント - 『世界は音 ナーダ・ブラフマー』より


書籍

【used】世界は音 ナーダ・ブラフマー

J・E・ベーレント / 人文書院
6160円(税込)

人は物事を判断する際、触れる、嗅ぐ、聴く、味わうよりも、見ることで得られる情報に依存しがちだ。ルッキズムの社会問題化が象徴するように、スマホや映像メディアの普及でその傾向は加速しているようにも見える。ドイツの著名なジャズ評論家による本書では、世界各地の神秘思想と音楽との接点に着目し、聴くことでもたらされる意識の変容や霊性の開花について取り上げる。単なる音楽論や文化論の枠を超え、宇宙(マクロコスモス)と人間(ミクロコスモス)の深奥で脈動する根源的な響き、さらには音や振動、ことばによって形づくられる調和的世界の創造へと迫っていく。インド哲学、中国思想、禅、創世神話、そして現代物理学を横断しながら、目に見える世界に囚われた意識を広大無辺な宇宙へと解き放つ。


《水と音》が分かれば《宇宙のすべて》が分かる
ウォーター・サウンド・イメージ
生命、物質、意識までも――宇宙万物を象る《クリエイティブ・ミュージック》のすべて

アレクサンダー・ラウターヴァッサー / ヒカルランド
3565円(税込)

水や砂に異なる周波数の音を当てていくと、単細胞の海洋生物から銀河の形まで自然界に存在するさまざまな模様が浮かび上がることはご存知だろうか? 音が森羅万象を創造したという伝承は世界中の聖典に見つかるが、本書では<水と音>が生みだす美しい映像で、宇宙創成の法則を視覚的に捉えることができる。人体の半分以上が水で構成されていることを考えると、どんな音に耳を傾けるか、どんな声を響かせるかという私たちの選択が、自分自身を創造しているともいえる。サウンドヒーリングや音楽医療の未来にも大きな可能性を感じさせてくれる一冊。


倍音
音・ことば・身体の文化誌

中村明一 / 春秋社
1980円(税込)

オーケストラの演奏やお寺の鐘の音など、人々を魅了する音楽や音には「倍音」の働きがあった。尺八奏者である著者が、倍音を音楽の一部としてではなく、すべての物事の根底をなすものと捉え、お笑い芸人が売れるための鉄則から日本の伝統文化を支える呼吸法「密息」まで、多角的にその謎を解く。


あなたの聴かない世界
スピリチュアル・ミュージックの歴史とリスニングガイド

持田保 / DU BOOKS
2420円(税込)

「見えないものを見ようとし、聴けないものを聴こうとする」――2014年から2019年までシリーズで開催された異色のトークイベント『あなたの聴かない世界』を書籍化した、霊性を刺激するリスニングガイド。近代から現代に至る音楽の系譜と、スピリチュアリズムやオカルティズム、サイケデリックやニューエイジといった内的探求の潮流との相関性を徹底的に紐解く。各章には、「聴きとれない領域」に足を踏み入れてしまった人々の貴重な音源が紹介されており、それぞれの時代を象る響きを体感できるのもうれしい。


発声と身体のレッスン
魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために

鴻上尚史 / 筑摩書房
1056円(税込)

「あなたの感情やイメージをちゃんと表現できる体を持つこと」を目標に、発声のしくみや体のメカニズムについての理解を深め、レッスン形式で発声の基礎体力を育んでいく本。体内を震わす声の響きに耳を澄ませ、体をほぐし、自由に脱力することのできる振動・共鳴する体へと導く。あなたの生まれ持った「こえ」と「からだ」の魅力を開花させる基本書。


【used】大きな耳
音の悦楽、音楽の冒険

アラジン・マシュー / 創元社
2200円(税込)

耳をひらけばひらくほど、音は未知の悦楽を運んでくる。「音を聴き、世界とつながり、共鳴すること、そして自分を変え、世界を変えること」――著者が紡ぐことばは、音楽のように体内を巡り、意識の深層にそっと語りかけてくる。音の感性を呼び覚ますエクササイズとともに、私たちが知覚する世界を拡大させる音の魔法がちりばめられた短編エッセイ集。


レッスンする人
語り下ろし自伝

竹内敏晴 / 藤原書店
2750円(税込)

自分の声を聴くだけで、その瞬間の自分の状態は分かるものだ。まるで、どこまでも届くかのような混じりけのないものに思える時。声がこもり、遠くへ届かない時。本当のことばを話すことは意外に難しい。本書は、ことばと体のつながりを探究した独自の心身論により、日本のボディワークやコミュニケーションのセラピー実践に類まれな影響を与えた演出家・竹内敏晴の死の直前の約3ヶ月間に語り下ろされた自伝である。幼い時に耳を患い、外界とのコミュニケーションが絶たれた経験や、学生時代の弓術への没頭、戦争体験、新劇からアングラ、現代演劇の最先端での疾走。そして死を間近に控えた病室での聞き書き。最後まで人と真摯に対峙し、自分の本当の声を追求し続けた著者のことばの輝きに触れる。