農と食のお話会

とっとこ農園 相澤さん × 農民連食品分析センター所長 八田さん

2024.3.16 Sat
EVENT

農と食のお話会

とっとこ農園 相澤さん × 農民連食品分析センター所長 八田さん

こちらのイベントは終了致しました。

初めて田植えを体験した日の夜に、ブッククラブ回のスタッフの一人が言った言葉。
 「食べる人のことを考えて農薬を減らし、昆虫に影響を与えるような農薬を使わない。そんな手間ひまをかけた農法を続けている農家さんには、ブッククラブ回のお客さんもきっと興味があるんじゃないかな?」
とっとこ農園の相澤さんと、農民連食品分析センターの八田さん、日々農薬の影響について、それぞれ実践と調査を続けるおふたりに、直接ブッククラブ回に来てお話しをしてもらったらどうだろう? そう思い始めたきっかけでした。

私たちが目にするお米はすでに精米され袋詰めされている場合がほとんどで、主食としてそれを毎日のように食べていながら、田んぼに植える苗がどこからやって来るのか、それを育てる農法がどんなものなのか、それらを知るきっかけがほとんどありません。そして、お米を栽培し出荷するために、当然のように使用されている農薬によって起こること。例えばミツバチの数の減少、発達障害児増加への影響の懸念などは、お米のパッケージからなかなか見えてはきません。

今私たちが直面している環境問題も、最初は誰も気づかない小さなものだったのではないでしょうか。

 ―ブッククラブ回にできることとは?

そんなシンプルな気持ちから、このお話会を開催します。

お米という私たちの暮らしに欠かせない主食を通して、日常と自然がどれだけ密接に関わっているのかを知る。「とっとこ農園」では、保育園からの田植えと稲刈り合宿の受け入れや、給食へのお米の提供などを通して、未来の社会の主役である子どもたちと、長年に渡って積極的に関わりを持ち続けています。食べる人の健康、自然を自然のままに残していくこと、そのために丁寧な米作りを実践すること。大人の私たちも、相澤さん、八田さんのお話をぜひ聞いてみたいと思います。

 

ゲストスピーカーのおふたりについて
とっとこ農園 相澤堅さん
新潟県十日町市松之山地域の稲作農家。ネオニコチノイド系農薬を使わず従来コシヒカリを栽培するほか、原木舞茸、切り餅も生産販売している。現在は、都内の保育園等から稲作体験を受け入れていることもあり、育苗時の農薬使用を中止し、特別栽培(減農薬栽培)を主として、農薬不使用栽培も行なっている。
大学では心理学を専攻し、就職後タイでの農業ボランティアを経て地元松之山で就農。今年で17年目となる。十日町市農政審議員、新潟農民連役員、集落農家組合役員。
ある日、大切に飼育していたタガメたちが80匹、ごっそりと死んでしまう。 なぜ、 タガメたちが死んでしまったのか。 餌として与えた川魚が原因なのではないか。その理由を考え、使用していた農薬について調べ、ネオニコチノイド系農薬の使用を中止する。
早苗を入れた直後に起きる水生動物たちの生々しい変化。 農作業の中で経験した農薬の事。 化学的に合成された農薬は、身の回りに当たり前のようにあり、 地域でもごく普通に散布され、 食料生産を支えている。しかし、それが生きものの命を奪うというジレンマ。 自然深い山間の農村で自然の営みに身を置いて暮らしているからこそ見える、農業と農薬のことを伝えている。

一般社団法人 農民連食品分析センター所長 八田純人さん

農民、消費者などの募金で生まれた分析施設、一般社団法人 農民連食品分析センター所長。
2000年中国産冷凍ほうれん草の残留農薬問題を発見し、食品衛生法改定のきっかけをつくった。

漢方生薬中に残留する農薬問題、遺伝子組換えナタネの自生調査、竹製品に使用される漂白剤問題、ディスカウント米が安い理由、尿中のネオニコチオイド系農薬調査などを取り上げ、農業と消費生活に密着した視点で、体験型の情報を提供している。3児のパパである八田さんは、他にも、屋上養蜂、自転車発電&果物シロップのかき氷屋、味噌・豆腐づくり指南など、多岐に渡る活動を行っています。


開催日

2024年3月16日(土)


農と食のお話会
ー とっとこ農園 相澤さん × 農民連食品分析センター所長 八田さん ー

会場
ブッククラブ回
107-0062 東京都港区南青山2-7-30 B1F
Googleマップ

講演時間
13:00~14:30

定員 20名(立ち見席込み)
※お席は当日の先着順です。予めご了承ください。

当日は、参加者全員に「とっとこ農園」天水田棚田米2合をプレゼント。

また、とっとこ農園の天水田棚田米を、この日のために特別に2kgパック限定数販売いたします。
ご購入検討されている方は少し頑丈なエコバッグのご用意をお勧めします。(有料紙袋あり)
丁寧に作られたお米を実際に味わってみてください。
 ※天水田とは雨水や雪解け水などの天然水を利用した水田です。

*当日は、15時より通常営業となります。ご了承ください。


料金・お申し込み方法

事前予約制です。
下記のいずれかのチケットをお選びいただき、ブッククラブ回オンラインストアにてご予約ください。

クレジット前払いチケット 1100円(税込)

当日店頭払いチケット 1320円(税込)

お申し込み方法
参加チケット購入時には必ず受信可能なメールアドレスをご入力ください。迷惑メール対策やドメイン指定受信等を設定されている場合は、[shop@bookclubkai.jp]が受信できるよう登録をお願いいたします。ご注文受付の自動送信メールが届かない場合はブッククラブ回までお知らせください。
その他詳細は、オンラインストアのチケット購入ページをご確認ください。

※予約確定後のキャンセル、返金は承っておりません。あらかじめご了承ください。


とっとこ農園

新潟県の南西部に位置する十日町市松之山。日本有数の豪雪地で、自然豊かな里山です。

ここで、昔からつないできた棚田と自然の恩恵を受けながら、「とっとこ農園」では、日々農作業に励んでおります。「とっとこ」の意味は、松之山の方言で「とっと」鶏、「こ」子で、「ヒヨコ」のことです。農園を始めた頃は、名前がありませんでした。そんな時、農業体験交流で受け入れていた東京の保育園の子どもが、「ひよこが、いっぱいいる農園だから『とっとこ農園』だね!」と言ったことがきっかけで、この名前になりました。

「親鳥が雛鳥を育むように、お米やお客様との縁を育みたい!」そんな気持ちで、家族農業を営んでいます。


ゲストスピーカー推薦書籍紹介


【used】日本の食と農 危機の本質
日本の〈現代〉 8

神門善久 / NTT出版

¥1,100(税込)

―とっとこ農園さん推薦書籍―

すさむ食生活。荒廃する優良農地。食と農の崩壊が進む真の原因は何か? 食と農という手近な問題を手がかりに、日本社会が陥っている集団的誤解を衝く。第28回サントリー学芸賞[政治・経済部門]受賞。 ―出版社紹介より

※古書のため価格を変更することがあります。傷、シミ、折れなどがある場合があります。予めご了承ください。


沈黙の春

レイチェル・カーソン / 新潮社

¥825(税込)

―とっとこ農園さん推薦書籍―

生命が目覚める春なのに命の営みが聞こえてこない。実際に起こりうるこの「沈黙した春」を著者は危惧する。殺虫剤の過剰な使用が、生態系を狂わせ、食物連鎖を死に変える。環境問題に早くから警鐘をならしてきた著者の考える解決策とは? 輝き続ける名著。文庫版。


複合汚染

有吉佐和子 / 新潮社

¥990(税込)

―とっとこ農園さん推薦書籍―

工業廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく……。毒性物質の複合がもたらす汚染の実態は、現代科学をもってしても解明できない。おそるべき環境汚染を食い止めることは出来るのか? 小説家の直感と広汎な調査により、自然と生命の危機を訴え、世間を震撼させた衝撃の問題作! ―出版社紹介より


振り返れば未来 山下惣一聞き書き

山下惣一 / 不知火書房

¥2,200(税込)

―八田純人さん推薦書籍―

「農の原理は循環であって、成長じゃない。百姓ってのは借金さえしなければ、成長しなくても生きていけるんです。」明日を切り開くヒントは未来にではなく、人々が歩いてきた跡、つまり人類の歴史の中にある。農の世界を牽引してきた山下惣一氏の聞き書き。―出版社紹介より


関連書籍紹介


自然農法 わら一本の革命

福岡正信 / 春秋社

¥1,320(税込)

耕さず、草もとらず、肥料もやらず、しかも多収穫。有機、無農薬を超えて、あらゆる常識を覆した農法で、多くの人々に影響を与えた本書。現代の老子とも称される著者が語る、無の哲学。世界各国から見学者が絶えない農法の基本を学ぶ。


種まきカレンダー 2023

ぽっこわぱ耕文舎 監修 / イーストゆみ子 表紙絵 / ぽっこわぱ耕文舎

¥1,650(税込)

植物の成長は、太陽や月や惑星という天体の運行、宇宙全体と関連があると考えて作られた農事暦カレンダーです。
バイオダイナミック農事暦や、占星術的観点からの今年の各月の特徴が記載されています。栽培する作物を4種類に分類して、その作物のマークの時間帯に農作業をおこなうようにします。特に播種と定食と収穫をその作物に適した時間帯にすることをお勧めします。もちろん、その作物に適していない時に農作業をせざるを得ないこともありますが、 そのような場合であっても、その後の手入れ(鍬入れ、間引き、除草、追肥、土寄せなど)を、その作物に適した時間亭に行うと、かなり改善されることが確認されています。土を作り、種をまき、水をやり、芽が出る、そんな植物とのやりとりの中で、 世界も自分自身もあわせて豊かになっていくことを願います。


マリア・トゥーンの天体エネルギー栽培法
進化したバイオダイナミック農法実践本

マリア・トゥーン / ホメオパシー出版

¥2,420(税込)

天体エネルギー栽培法とは、バイオダイナミック農法をさらに発展させ、四大エレメント≪ 水・土・熱・光 / 空気 ≫を媒介して伝えられる天体≪ 太陽・月・惑星 ≫エネルギーを利用した、新しい植物栽培法である。いつ、どの作業をしたらよいのかを作物別に詳しく紹介する。


農業講座
農業を豊かにするための精神科学的な基礎

ルドルフ・シュタイナー / イザラ書房

¥3,740(税込)

惑星の運行や地球、植物が持つリズムを尊重する「宇宙のエネルギーを利用した有機農法」であるバイオダイナミック農法は、地球をシステムの全体としてとらえている。本書は、エコロジカルで全体的なバイオダイナミック農法の基本文献。


マンガでわかる 日本の食の危機

鈴木宣弘 / マンガデザイナーズラボ / 方丈社

¥1,650(税込)

迫る飢餓……「質」も「量」も崖っぷちの現実から大切な命を守るために
今後5年間で43兆円に増やされる巨額な日本の防衛費。果たして武器を持つことで私たちのいのちは守れるのか? 世界30か国が自国民を守るために農作物の輸出規制を行う一方で、日本では肥料、飼料、燃料などの生産資材の高騰に苦しむ農家や酪農家への支援が行き届かず、相次いで生産者が廃業に追い込まれているという。幅広い年代層へ届けたいと作られた本書は、日本が直面する食の危機についてマンガとわかりやすい解説で知ることができる。事実を直視することで見えてくる危機回避策とは?


リンゴが教えてくれたこと

木村秋則 / 日本経済新聞出版社

¥660(税込)

常識外れだった無農薬、無肥料のリンゴ栽培。リンゴのこと、食する人のことを想いつづけ、ついに「奇跡のリンゴ」の栽培を成功させた。時の人となった農業家の苦難の足跡をたどり、独自の自然観つづられる。

自然農という生きかた

川口由一、辻信一 / ゆっくり堂

¥1,980(税込)

「耕さない、草や虫を敵とない、農薬や化学肥料を持ちこまない」を基本とする自然農を提唱、全国から訪ねてくる人びとに「真の道」を示し続けてきた川口由一さん(2023年6月永眠)が語る「自然に沿う、従う、任せる」生きかたとは?
環境アクティビストで1990年代より海外ゲストとともに自然農田に通ってきた辻信一さんが、リジェネラティブ(大地再生)、ローカリゼーションの視点から川口さんにじっくりとお話を伺った対話集。


いのちが教えるメタサイエンス
炭・水・光そしてナチュラルチーズ

宮嶋望 / 地湧社

¥2,200(税込)

社会に居場所を見つけられない人たちが共に働き暮らす、北海道の NPO 共働学舎新得農場。自然放牧酪農、世界一のナチュラルチーズづくり、バイオダイナミック農業、そしてメンバーの個性や自主性をリスペクトした組織運営を支えるのは、自然の摂理に沿った古くて新しい科学「メタサイエンス」の仕組みだ。微生物から草木、人、牛、天体まで自然の働きを活かした環境づくりから、健やかな社会の雛形が浮かび上がってくる。


三浦伸章 ガッテン農法
農薬・肥料に頼らず自然の好循環でおいしい野菜づくり

三浦伸章 監修 / 学研プラス

¥1,760(税込)

肥料や農薬に頼らず、自然の力を活かした農法でおいしい野菜をつくるための極意をイラストや写真とともに詳しく学べる。土壌微生物を増やす土づくり、庭先やベランダで家庭菜園を楽しむ方法など、野菜のよろこびに耳を澄ます、目からウロコの自然農法実践本。


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