Feature #14

禅は宇宙のおもちゃ箱

禅は究極のものに触れるための手段として、最もすぐれている、と言われている。本当かどうかはそこへ行った人のみぞ知る。

家を建てる時の足場として例えられることもある。足場がなくては家は建てられないが、家が建ったら足場は不要になる。「ブッダに会ったらブッダを殺せ」と答える仏教である。あらゆる矛盾を内包できる。あたたかくユーモアがあって単純である。冷たく意地悪で乾いている。

禅を極めようなんて意気込んで始めたら、ひどい目に遭うかもしれない。だから、違う可能性が99%と思いながら、楽しく「禅」らしきものと遊ぶくらいがよいのかもしれない。


ふっと心がかるくなる   禅の言葉
石飛博光と鴻風会 著、永井政之 監修
永岡書店
486円+税

日本が世界に誇る禅の思想は、一見、難解に見えるが、実は私たちの日々の中に生きている。本書は、禅から生まれたシンプルな言葉を紹介し、その意味を現代風にやさしく解説してくれる本。コンパクトにまとめられた禅語に触れられるという意味で、ビギナーにうれしい編集となっている。

坐禅はこうするのだ
井上希道
地湧社
1900円+税

頭をからっぽにして、参禅を始めてみてはいかがだろう。己の存在をかけて真剣勝負で参禅に挑む弟子の修行の様子、心境の変化を師の側から克明に描く、目のさめるような一冊。

坐禅のすすめ
山田無文 他
禅文化研究所
1300円+税

「心頭滅却すれば火も亦た涼し」という言葉もあるが、人間の欲望は、消そうと思って簡単に消えるものでもない。しかし、見失いつつある自分を取り戻すべく行動を起こすことは出来る。その1つの方法が坐禅。坐るという行為によって、心身すべてを統一させて煩悩を払う。巻末には坐禅が出来る全国のお寺案内も掲載している。

一休
逸話でつづる生涯
安藤英男
鈴木出版
1650円+税

禅の公案の中には、人間の持つ固定観念をはずすため、人をぎょっとさせるものがある。本来、禅の思想には真理に到達するためならば、手段を選ばないところがあるのだろう。破天荒な禅僧、一休はその本質を身をもって具現した人物と言えよう。

臨済録
入矢 義高 訳

岩波書店
720円+税

唐代末期(9世紀)の禅師の言葉。禅の修行では、固定観念を打ち砕くことが重要視される。こうであるべき、これが正しいと思ったら最後、もうそれは真理から遠ざかっている。臨済和尚は罵る。それは、囚われに躓き、とまどう弟子達に与える毎日の喝。

新版 禅とは何か
鈴木大拙
KADOKAWA
760円+税

禅、仏教の思想を世界に広めた著者の昭和初期の講演をまとめた本書。「禅」という奥の深い世界が、わかりやすい言葉で表現されている。「宗教経験としての禅」「仏教における禅の位置」など10講を収録。

今このとき、すばらしいこのとき
毎日が輝くマインドフルネスのことば
ティク・ナット・ハン
サンガ
2200円+税

著者はベトナム出身の禅僧。マインドフルネスの言葉で、新しい禅の形を伝えてくれる本書は、瞑想を行う特別な時間だけではなく、入浴や食事、掃除など、日々の一瞬一瞬に光を当てる。

十牛図-禅の悟りにいたる十のプロセス-
山田 無文

禅文化研究所
2000円+税

真の自己を牛にたとえ、悟りを求める人の過程を10枚の絵に託して表現してみせた十牛図。
禅ではよく象徴的に描かれる、「○」の一文字。その後に、まだ二つもプロセスが残っているのが禅の奥深いところであり、それを一切の言葉を使わずに表現する。

弓と禅
オイゲン・ヘリゲル
福村出版
1400円+税

禅は、武道との関係が極めて深い。生死の境界から生まれた日本の武道は、身体の芸術とも言われる。『弓と禅』には、大正から昭和にかけてドイツの哲学者オイゲン・ヘリゲルが日本に来た時、弓聖と称えられた阿波研造に師事した時のエピソードが綴られている。「的を狙わずに当てる」「無になる」など、ギリギリの所で真実を掴む禅の道、西洋人のヘリゲルの理解は?

白隠禅師 原文付
健康法と逸話

直木公彦
日本教文社
1100円+税

白隠禅師は日本で初めて神経症や心身の虚弱の人々を治癒する技を編み出した禅僧。本書で紹介される養生法の一つ、『軟酥(なんそ)の法』は軟酥という架空のチーズのような塊が頭頂から下方へ、身体の表面から内臓まで浸透することを想像する、身体の隅々まで意識できる瞑想法である。