2026年8月 満月のたより
ALL WE NEED IS LOVE 愛こそすべて
「 にくしみは
にくしみを ひきおこします。
愛だけが にくしみを
けしさることが できるのです 」
– ドリーン・ラパポート 文、ブライアン・コリアー 絵 –
『キング牧師の力づよいことば』
― 個を超える愛 ―
誰に対してもわけへだてなく、愛を注ぐことが本当に可能なのだろうか。
それは、人間的な感情を無視した、非現実的な行為のようにも思える。
なにしろ親兄弟や長年親しんだ人と、見ず知らずの他人を同じレベルで扱おうとするのだから。
しかし、多くの宗教家、思想家がこの道を選び、歩んだ。
そして正しい人にも、よい人にも、極悪人にも、ずるい人にも、等しく愛を注ぎ続けた。
キング牧師の力づよいことば
マーティン・ルーサー・キングの生涯
ドリーン・ラパポート 文、ブライアン・コリアー 絵 / 国土社
1650 円(税込)
「I have a Dream!」という演説で有名なキング牧師。19世紀に奴隷制が廃止された後も、白人専用のレストラン、バスの白人専用席、メイドの仕事など、公共施設や雇用における理不尽な差別は長きにわたって続いた。その根強い差別に対する非暴力の闘いにー生を捧げ、愛と正義と真実を貫いた彼の行いと言葉は、今も人々の心に宿っている。1968年に暗殺されるまでのキング牧師の生涯をわかりやすい文章とコラージュで描く絵本。
鎌田茂雄 / 講談社
1485 円(税込)
観音菩薩が三十三の姿に変身し、人々を救うことを説いた「観音経」は、『法華経』全28章のうちの第25章にあたる経典のことで、般若心経と並んで最も広く親しまれてきたお経のーつだ。普遍的な愛には至ることができない衆生にとって、観音は日々の成長を導く身近な存在であり、本書は白隠や道元の法語、先哲の思索を手がかりに、「観音経」に流れる慈悲の生き方を易しく読み解く。ー人ー人の心の中にいる観音菩薩に気づかせてくれるー冊。
白川静 / 中央公論新社
985 円(税込)
道徳のイメージが強い<仁>という言葉。実は、これこそが孔子の求めていた普遍的な愛の形ではないだろうか。漢字研究の第一人者である著者は、儒教を説いた孔子の出生について呪術集団が母体であることを本書で明らかにし、<仁>によって社会を変革しようとした生々しい孔子像を浮かび上がらせる。表向きは道徳思想家、実体は特殊な立場にある神秘家。広く知られる孔子の教えも、そうした観点から眺めてみると、これまでとは違った意味を感じさせてくれるから不思議だ。
宮崎駿 / 徳間書店
605 円(税込)~
マンガ版『風の谷のナウシカ』では、映画版で語られなかった哲学的な問いを突きつけながら、人類の進化や世界の崩壊と再生を壮大なスケールで描く。文明の発達により荒れ果てた世界で、争いながらも生きる人間たち。その中で、清々しい風のように人々の苦しみに寄り添い、己の道を真っすぐに生きるナウシカの魅力は世界を熱狂させた。真に世界を想うがゆえの矛盾や闇を受け入れ、苦悩しながらもすべての命を無条件に愛し続ける姿。世界を救うのは、人間を超えた完璧な存在ではなく、逆にその不完全さゆえに獲得できる勇気なのだと、ナウシカは教えてくれる。
【used】無条件の愛とゆるし
サイコシンセシス叢書
E・R・スタウファー / 誠信書房
1320 円(税込)
心の奥深くに蓄積した許せない気持ちや傷ついた経験は、内なる霊性を曇らせる原因となる。本書は、古代ユダヤ教エッセネ派の神秘主義と、人間の精神の統合を目指すサイコシンセシスを融合。瞑想法やエクササイズの実践を通して、より高次の自己を見出すための道を示す。宇宙に遍在する根源エネルギーと私たちをつなぎ、無条件の愛へと導くそのプロセスは、心理学の枠を超え、太古の叡智を現代に蘇らせている。他者を許すことによって解放されるのは、実は自分自身なのだ。古書。
字宙に満ちるエネルギー
個人の情愛と、普遍的な愛とは同じものなのか。
より高い次元の愛を目指していった時、人は何と出会うのか。
人類の歴史が始まった時から、<愛>は様々な形をとって、多くの人のテーマとなってきた。
ヘルマン・ヘッセ / 新潮社
935 円(税込)
真理の探求を生涯のテーマとしていたヘルマン・ヘッセ。この作品では、精神の人になろうとして修道院に入った美少年が、知を断念して愛欲と放浪の生活に入っていく過程を通して、人間の最も根源的な欲求である知と愛が、反発し合いながら互いに慕い合う姿を描き出す。
プラトン / 岩波書店
616 円(税込)
神秘的な発想を根底に秘めたプラトン哲学こそ、現在に続く<エロス>という概念の生みの親だ。エロスは肉体の美から精神の美、さらには「美そのもの」への渇望、すなわちフィロソフィア(知恵への愛)へと高まると説く。ギリシャ哲学の中でも不滅の光輝を放つ傑作。
植芝盛平 口述、髙橋英雄 編著 / 白光真宏会出版本部
1815 円(税込)
宇宙と一体化することで、どんな相手にも強さを発揮することができるという合気道。その真髄は、創始者・植芝盛平の生前には理解されず、死後に弟子たちが平易に解釈して一般的となった。植芝は一時期、大本教の出口王仁三郎のボディガードをしていたとも言われている。合気道に流れる精神性も、彼が王仁三郎のもとで学ぶなかで培われたものかもしれない。体系化され、競技となった現在の合気道からは、その特殊な本質をうかがい知ることは難しい。合気の道こそ愛の現われだと悟った植芝盛平が説いた、敵を愛し、調和し、宇宙と一体になる極意に触れる。
バクティ・ヨーガ
愛と信仰のヨーガ
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ / 日本ヴェーダーンタ協会
1100 円(税込)
19世紀、ヨーロッパにインドのヴェーダーンタ哲学を広めた立役者、スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ。ヨガと聞くと、体でいろいろなポーズを取る健康法という印象が強いが、それは全体の一部であり、探求の道は4つある。ラージャ・ヨーガは神秘主義によって、カルマ・ヨーガは働くことによって、バクティ・ヨーガは愛によって、ギャーナ・ヨーガは哲学によって、その生を探求する。神への愛に始まり、愛で続き、愛に終わる、真に純粋な探求。たった一瞬の神への愛の狂気が、永遠の自由をもたらすと説く。
愛は魔法
愛は、自分を取り巻くすべての人との関係性において、
最もシンプルで、最も力を発揮する魔法。
あらゆる理屈やブロックを一瞬のうちにワープしてしまう可能性を秘めている。
もし、あなたがどうしても越えられない危機を迎えたら、
もはやこの特効薬に頼るしか方法はないかもしれない。
エーリッヒ・フロム / 紀伊國屋書店
1430 円(税込)
誰もが愛に餓えながらも、それを学ぶべき技術だと考える人は少ない。「愛とは与えるもの」とよく言われるが、フロムは「愛こそが、現実の社会生活をより幸福に生きるための最高の技術」だと語る。親子、友人、恋人、自己、神などへの愛を紐解き、それに必要な能力や、現代の社会構造が与える影響まで深く考察。精神的な成熟を助け、再読のたびに新たな気づきを与える名著。
ジェラルド・G・ジャンポルスキー / サンマーク出版
597 円(税込)
人は日々、意識的・無意識的に選択を行っている。心を開いたか閉ざしたか、勇気を持ったか逃げたか。その選択が後の体験に大きな影響を与えていることに気づく。本書は、人は究極的に「愛」か「怖れ」のどちらかを選んで生きていると説き、「愛」を選ぶ方法をシンプルに解説。世界的名著『奇跡のコース ( A Course in Miracles ) 』を基に、日常の様々な局面を乗り越えるヒントをわかりやすく教えてくれる。私たちには毎瞬毎瞬、愛の生き方を選択するチャンスが与えられているのだ。
ティク・ナット・ハン / 河出書房新社
1595 円(税込)
毎日が輝きだす自分と世界の愛し方――愛の本質と実践、和解。そしてそれに必要な気づきの力について記したメッセージブック的な一冊。マインドフルネスを世界に広め、平和活動に尽力したベトナム人僧侶、ティク・ナット・ハンが、様々な視点から愛を育む方法を伝える。詩人でもある著者のシンプルな言葉は、何度もゆっくりと読み返したくなる響きを持っている。『愛する』改題新装版。
チャック・スペザーノ / ヴォイス
2420 円(税込)
完璧な環境で生まれ育った人はいない。誰しも人間関係で負った心の傷を抱えている。癒されぬまま沈殿した傷は、ありのままの自分を生きる足かせとなる。本書は、心理学とスピリチュアリティを統合した「ヴィジョン心理学」の創始者による、人間関係で疲れた心に癒しをもたらす実践的なワークブック。1日1レッスン、366のステップを通して、問題解決の突破口を見出せるはず。
愛という仮面
時に、愛の名を借りて、自らの欲望のままに相手をコントロールしようとする未熟な関係。
見えない檻に閉じ込められ、不安と怖れに窒息しそうなら、それは歪んだ支配欲の現れなのかもしれない。
愛の仮面に隠された現代の病理は、地獄を生みだすこともある。
ロビン・ノーウッド / 中央公論新社
1152円(税込)
愛することが苦痛なら、それは「愛しすぎている」証拠。生まれて初めて関係を持つ親との間に隙間があったら、子どもは何を基準に愛を学べばよいのか。本来、対等なはずの関係において相手を愛しすぎてしまう時、自分の心で何が起きているのか。相手ではなく自分と向き合う生き方へとシフトするためのセルフヘルプの書。「なぜ、私の愛はうまくいかないのだろう」と悩む人は、原体験を辿る必要があるのかもしれない。
【used】愛はテロリズム
ロマンティック・ラブの終焉
マイケル・ヴィンセント・ミラー / 紀伊國屋書店
2090 円(税込)
人は自分自身の「愛の幻想」を持っている。誰かが「私の望むことをしてくれれば、愛をあげよう」と言ったら、あなたはどうするだろうか。時に、愛は人をコントロールするための危険な武器になる。本書は、慈しみあうはずの関係が、いかに相手を支配するかという権力争いの修羅場と化す現実を分析する。著者はこうした状況を「親密なテロリズム」と呼んでいる。ロマンチックな愛が虐待に変わる瞬間、人々の心には何が起こっているのだろうか。
エーリッヒ・フロム / 東京創元社
1870 円(税込)
心に核を持つことは、自立した個として真の自由を享受する強さにつながる。しかし核を欠いたまま自由を与えられたとき、人は孤独や責任の重圧に耐えかね、権威や全体主義への従属を求め始める。他者を支配しようとするサディズム的な「愛」、そして自由を放棄し、強大な権威に自らを委ねるマゾヒズム的な「愛」。20世紀を代表する社会思想家が、これらの歪んだ共生関係に支えらえたナチズムの台頭を背景に「自由」の真意を問う。新しい社会へのヴィジョンを力強く提言する本書は、今こそ読みたい不朽の名著である。
ヴィルヘルム・ライヒ / せりか書房
上巻 2200 円(税込)・下巻 2860円(税込)
性エネルギーを研究し、不遇の内に没した精神分析における異端の革命家、ヴィルヘルム・ライヒ。彼は、ファシズムが吹き荒れる当時のドイツで、独裁者を熱狂的に支持する大衆心理は、人類が数千年間にわたり抑圧されてきた性意識と、そこから生まれた権力主義がもたらす当然の帰結だと見抜いた。そして、権威主義国家のミニチュアとして機能する「家父長制」による家族の病理をも暴いた本書は、ナチス・ドイツでも移住先のアメリカでも発禁となった。家庭内での父親への絶対服従が独裁者への依存心へと置き換わるという鋭い考察が、固定化された通念を壊す問題作。下巻のみ古書。
エンマ・ユング / 海鳴社
1320 円(税込)
本書が提唱した、人の心には誰にでも内なる男性と女性であるアニマとアニムスが潜んでいる、という発見は画期的なものだった。男性と女性は明らかに違う存在と分けて考える視点から、心の内に異性が存在するという視点に転換する。それは言うなれば、自分に足りないものを外に求めるのではなく、自己の内に見出すことで、より統合された存在となれるということだ。関係性には共通するものと異質なものがある時のみ、友好性と必然性が存在する。男性は自らの女性性を育てることにより、そして女性は自らの男性性を育てることにより、人間としての成熟が始まる。こう言うと中性的な人間になってゆくようなイメージがあるかもしれないが、自分の中の異性を育てることは、逆に本質の性自身を豊かにしてゆく結果をもたらすはずだ。男らしさ、女らしさが逆に深まってゆく。母系社会が中心だった古代から変換し、近代から現代は男性的な社会として発展をとげてきた。今、あらゆる事が変化を遂げようとしている時代に、改めて女性的なエネルギーを学ぶ必要が生まれてきているのかもしれない。
ルドルフ・フォン・アーバン / 新泉社
2200 円(税込)
聖なるものであり、かつ徹底して俗でもある。肉体的な行為であっても同時に精神的交流でもある。と、まるで量子力学において素粒子が波であっても粒であるということと同じように、相反する要素を合わせ持つセックスという行為。微妙でとらえがたいセックスにおいて、真に満ち足りた経験を得ることは可能なのか。通常行われるセックスは、相手があってもマスターベーション的であることも少なくないが、本書では「内なる異性」をはずし、純粋女性と純粋男性としてのセックスを提唱する。肉体の結合だけではなく、「気のふれあい」にも言及し、著者が提唱した6箇条を守ることで多くの夫婦が満ちたりた関係をとり戻したという。ともすると肉体的なテクニックか精神論にかたむきがちであったセックス論の中で、バランスがとれており、実践的かつセックスの本質を考えさせてくれる本である。






















