Feature #04

食を断つ

食事と健康は密接につながっている。何を食べるかによって、体調ががらりと変わることを経験した方も多いだろう。
それでは、「食べないこと」は、身体にどのような影響を与えるのだろうか。

 

生命力を高め、肉体の浄化を促す食餌療法はさまざまある。古代インド医学のアーユルヴェーダでは、短期間の絶食を定期的に行うことを勧める。1日の絶食や小食だけでも、白血球の機能など免疫機能は向上するという。『なぜ人は病気になるのか』は、アーユルヴェーダの絶食(小食)方法や各人の体質に沿った食事、食材の薬効なども記されている。また、健康を手に入れるためのアーユルヴェーダの実践的な活用方法が網羅されており、生活に取り入れる上で参考になる。

『食べる・出す・ときどき断食』は、身体の持つ本来の生命力を高め、理想の体質に改善するために断食を提案。断食の効用として、宿便を出す、自然治癒力や免疫力アップ、遺伝子の活性化、肌をきれいにする、心身の毒素排出などを挙げる。何よりも、「食べること」に対する執着が手放せ、心身ともにすっきりするという。同書の勧める断食は、絶食ではなく、基礎代謝分は酵素やミネラル、ビタミンを含むドリンクで摂る方式。また、自分の体質を知るための東洋医学の知識や体質別の食餌方法や便秘解消法が記されており、断食を即実行しなくとも、身体や食に対する意識が変わるだろう。

そして、ズボラな人でも普段の日常生活に無理なく取り入れられる、朝食を抜くだけの半日断食を紹介する『奇跡が起こる半日断食』。食べ過ぎがもたらす様々な害や体験談、西式健康法についても触れており、半日断食の具体的なやり方とその効果が学べる実践入門書。

「不食」は断食とは異なる。断食は「食べなければ生きられない」という考え方が前提にあるが、「不食」はプラーナ=気で生きるため、食事が生存に結びついていない。私たちは食べ物がエネルギーを与えてくれると信じて食事をするが、実際は食物の中に蓄えられているエネルギーを摂っているのであり、エネルギーを他の経路で摂取できれば、食べなくとも生きられることを自らの肉体を持って証明する人たちもいる。『食べない人たち』は、三人の不食実践者が自らの体験を綴る。不食に入るきっかけは三者三様だが、「不食を実践している今が人生で最高潮に体調が良い」と異口同音に口にする。また、「食べること」だけでなく、「食べないこと」に対してもこだわりがなくなるため、社交の場などでは食べ物を口にすることもあるという。食べないこと自体に目的があるわけではなく、修行や禁欲でもない不食実践者の姿が浮かび上がる。

不食が可能ならば、なぜ人は餓死するのか。それは、「食べなければ死んでしまう」という、潜在意識の恐怖が餓死を引き起こすのだという。『神々の食べ物』の著者、ジャスムヒーンは不食の草分け的存在であり、飢えには肉体的なものだけでなく、感情、精神、霊的な飢えがあると説く。これら全てのレベルの飢餓感を満たすのが「聖なる栄養」だが、それを受け入れるには脳波パターンが変化していく必要がある。本書では、肉体、感情、精神、霊的な飢えを開放するワークや瞑想法が詳述されており、極めて実践的な一冊だ。

断食や不食が心身にとって良いとわかっていても、なかなか実践には勇気が要るもの。せめて、食事時には「ながら食べ」をせずに、意識を食べものに向けてみよう。「意識が最高のソース」となり、味わいが格段に変わる。身体が吸収する栄養も増すに違いない。


増補改訂版
なぜ人は病気になるのか
上馬塲和夫(著)
出帆新社
4180円 (税込)

膨大な数の健康法がインターネットや書籍で紹介され、中には大きな流行となることもあるが、身体のどのような仕組みに基づいて、それらが良い影響を与えると考えられているのだろうか? そして他の生物たちとは違う人間の身体独自の仕組みがもたらす不調や成果にはどのようなものがあるだろうか? 一度基本に立ちかえり、身体の機能にフォーカスしてみる。本書は、身体各所の豊富な図版と詳細な解説に、身近な例をとりあげたコラムがプラスされた本格的な解剖学書。大判になりがちな専門書ながら、持ち運びに便利な新書サイズ。

実践!菜食美人生活
食べる・出す・ときどき断食
畠山さゆり(著)
BABジャパン
1650円 (税込)

身体の持つ本来の生命力を高め、理想の体質に改善するために断食を提案。断食の効用として、宿便を出す、自然治癒力や免疫力アップ、遺伝子の活性化、肌をきれいにする、心身の毒素排出などを挙げる。何よりも、「食べること」に対する執着が手放せ、心身ともにすっきりするという。同書の勧める断食は、絶食ではなく、基礎代謝分は酵素やミネラル、ビタミンを含むドリンクで摂る方式。また、自分の体質を知るための東洋医学の知識や体質別の食餌方法や便秘解消法が記されており、断食を即実行しなくとも、身体や食に対する意識が変わるだろう。

奇跡が起こる半日断食
甲田光雄(著)
マキノ出版
1540円(税込) 

朝食を抜くだけの半日断食。これなら、ズボラな人でも普段の日常生活に無理なく取り入れられる。宿便を出す、自然治癒力や免疫力アップ、遺伝子の活性化、肌をきれいにする、心身の毒素排出などその効果と実践法が詳しく学べる。

食べない人たち
秋山佳胤 他(著)
マキノ出版
1430円(税込)

「不食」は断食とは異なる。断食は「食べなければ生きられない」という考え方が前提にあるが、「不食」はプラーナ=気で生きるため、食事が生存に結びついていない。私たちは食べ物がエネルギーを与えてくれると信じて食事をするが、実際は食物の中に蓄えられているエネルギーを摂っているのであり、エネルギーを他の経路で摂取できれば、食べなくとも生きられることを自らの肉体を持って証明する人たちもいる。本書は、三人の不食実践者が自らの体験を綴る。不食に入るきっかけは三者三様だが、「不食を実践している今が人生で最高潮に体調が良い」と異口同音に口にする。また、「食べること」だけでなく、「食べないこと」に対してもこだわりがなくなるため、社交の場などでは食べ物を口にすることもあるという。食べないこと自体に目的があるわけではなく、修行や禁欲でもない不食実践者の姿が浮かび上がる。

神々の食べ物
ジャスムヒーン(著)
ナチュラルスピリット

3058円 (税込)

不食が可能ならば、なぜ人は餓死するのか。それは、「食べなければ死んでしまう」という、潜在意識の恐怖が餓死を引き起こすのだという。『神々の食べ物』の著者、ジャスムヒーンは不食の草分け的存在であり、飢えには肉体的なものだけでなく、感情、精神、霊的な飢えがあると説く。これら全てのレベルの飢餓感を満たすのが「聖なる栄養」だが、それを受け入れるには脳波パターンが変化していく必要がある。本書では、肉体、感情、精神、霊的な飢えを開放するワークや瞑想法が詳述されており、極めて実践的な一冊だ。

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