vol.0742

2021年6月満月のたより

世界の夜に太陽を

私たちは問題を解決してくれるヒーローやカリスマの出現を待ち望みがちですが、
複雑な社会問題は誰かヒーローが現れれば解決できるわけではありません。

ヒーローが悪の根源を見つけてやっつけたとしても、
社会の構造や人々のメンタルモデルが変わっていなければ、
形を変えて問題は繰り返されるでしょう。

つまり、世界や社会の構成員である私たちが、
世界の見方や日常の行動の仕方を変えていくことが最も大きな影響を与えるのです。

既存の社会システムがどのような問題を起こしているのか気付くこと、
そして自分の生活や仕事、自分たちの組織がどのように影響を与えているのか考えること、
そして問題解決のために自分はどう動けばいいのか気付くこと。

そのようにして、これまで固定していた物事の見方を、
より広げ、多面的に検証し、自分の意思を形作ることが、
メンタルモデルのシフトです。

そして、それを自分たちだけでなく周りの人たちにも伝え、コミュニケーションしながら、
共感の輪を広げていくことができれば、個人の小さなさざ波のような変化が相互作用しあい、
大きな波へとなっていくのです。

 

– 佐藤真久、広石拓司 –
『ソーシャル・プロジェクトを成功に導く12ステップ』より



– 世界の夜に太陽を

一日の活動を終えて家路につき、家族で明るい食卓を囲む。
夜、子どもたちが照明の下で読書や勉強をする。
こんな光景は、日本に暮らす私たちにとっては当たり前ですが、
世界には電気の通っていない地域が数多く、
世界の人口78億人のうち約10億人の人たちが電気の無い暮らしをしています。

今回の満月号は、新入荷したソーラー充電式ランタン「CARRY THE SUN®」を
開発・販売するランドポートさんが精力的に取り組む、世界に希望の光を灯す活動のご紹介です。
あわせて、自分なりの社会貢献に漕ぎ出そうと志す人に向けて心強い灯台となってくれそうな本も選んでみました。

世界では新型コロナウイルスのパンデミックによって急激に貧富の格差拡大が進んでいます。
この富の格差に象徴される競争原理を土台とする経済システムの不具合を前に、
今、多くの人たちが力で支配する時代の終焉を察知し、
貧困や環境問題など世界が直面する課題解決のため持続可能な社会づくりに動き出しています。

生活を支えるための収入が得られないボランティアや、
寄付など外部からの資金に頼った慈善活動は、
資金が不足すれば継続することが難しいものです。
しかし、社会的問題の解決を最優先に取り組みながら、自ら収益を上げ、
ビジネスとして成立すれば、継続的に活動することが可能です。
このようなソーシャル・ビジネスをはじめとして、クラウドファンディング、ふるさと納税など
私たちが主体的に参加できる支援のカタチは多様化しており、
消費者ひとりひとりの選択が社会を動かす原動力として働きます。
個と個がつながり、それぞれの持ち味を活かしあってチームプレーできれば、
より大きなムーブメントを生み出すことができるのです。


– ひとつはあなたに、もうひとつは誰かのために

灯りのある当たり前の暮らしを分けてあげたいという思いから、
ランドポートさんが2017年に始めたプロジェクト「Buy One Give One」は、
“ひとつはあなたに、もうひとつは誰かのために”を合言葉に、
公式オンラインストアで購入された数と同数のCARRY THE SUN®を、
購入者の想いとともに国内外の電気の無い地域や被災地に届ける取り組みです。

これまで熊本地震(2016年)、九州北部豪雨(2017年)、北海道肝振東部地震(2018年)の被災地、
そしてネパール、タイ、ミャンマー、モザンビークの人たちに灯りを贈りつづけてきたランドポートさん。
現地に足を運んだ担当の方にお話を伺ったところ、無電化地域では夜間にロウソクや灯油ランプが使われるのですが、
現地に暮らす人たちにとってはコストが高すぎるため、普段の暮らしのなかで充分な灯りを得ることは難しく、
また火災の危険や黒煙の煤による健康被害と隣り合わせだと言います。
無電化地域には、戦争や紛争で電気を使えなくなってしまった場所や貧しい途上国が多く、
特にインフラ整備に課題を抱える途上国では、都市と農村の間の格差は広がりつづけており、
電力の格差は、医療や教育、治安、所得などさらなる格差を生み出しています。

ブッククラブ回は「Buy One Give One」の活動に賛同し、
ランドポートさんにご協力いただきながら、
店頭とオンラインショップで皆さまにCARRY THE SUN®をひとつご購入いただくごとにひとつ、
灯りを必要としている人たちの元へ届けていきます。
今後、活動レポートもご紹介していけたらと思っていますので、
どうぞお楽しみにしていてください。

太陽が空に顔を出したら、ライトを日光の当たる場所に置いておき、
夜には、太陽の恵みでやさしく灯る光を見つめながら、
自分と同じ灯りを見つめている誰かが世界のどこかにいることを実感します。

ほんの少しの灯りが生み出す「安心」と「希望」を届ける「Buy One Give One」を通して、
ひとつにつながり合う世界の“今”に意識を広げてみてはいかがでしょう。
太陽、地球、いのち。あたたかい想いが循環する新しい社会システムは、
私たちの日常のなかの小さな革命がスタート地点なのかもしれません。


ITEM

CARRY THE SUN®
Landport

Medium [Warm Light (暖色LED) / Cool Bright (白色LED) ] / 各4180円(税込)

Medium [Rainbow (7色+色が変わる自動モード) ] / 4950円(税込)

Small [Warm Light (暖色LED) / Cool Bright (白色LED) ] / 各2860円(税込)

太陽を持ち運ぶ、折りたたみソーラー充電式ランタン「CARRY THE SUN®」。折紙のようにたためて軽量コンパクト、糸を織り込んだ丈夫なヨットのセイル生地を使用した防水・防塵仕様なので、アウトドアはじめ、常夜灯や玄関やバスルームで日常の移動可能なインテリアライトとして普段使いしながら「いざ」の停電の備えにもなる。「日常に使うモノ=非常時に使えるモノ」であることを目指し、本体部分の縫製や形状、ソーラーパネルとLED部分の防水防塵加工をすべて「人の手と目」を使って丁寧につくり、検品まで一貫して行っている。

※「ひとつはあなたに、もうひとつは誰かのために。」
CARRY THE SUN を開発・販売するランドポート株式会社が取り組む支援プロジェクト「Buy One Give One 」の対象商品です。
この商品を購入していただくごとに、購入いただいた同じ数が灯りがなくて困っている国内外の地域へ届けられます。
詳細はランドポート株式会社 公式サイトをご覧ください。
https://carrythesun.jp/pages/buy-one-give-one/


3つのゼロの世界
貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済
ムハマド・ユヌス / 早川書房 / 2090円(税込)

2006 年ノーベル平和賞受賞、国連 SDGs の提唱者の一人であるムハマド・ユヌス博士が、「貧困ゼロ・失業ゼロ・二酸化炭素排出ゼロ」の世界を実現するため、社会課題をビジネスで解決する「ソーシャル・ビジネス」の具体的な取り組みについてわかりやすく教えてくれる。本書を読めば、世界人口のたった 1%が富を独占する、現在の経済システムの巨大な欠陥と、それを修復するための道筋が見えてくる。

ソーシャル・プロジェクトを成功に導く12ステップ
コレクティブな協働なら解決できる! SDGs時代の複雑な社会問題
佐藤真久、広石拓司 / みくに出版 / 1980円(税込)

これまで数々の環境問題や福祉、地域づくり、国際協力に関わってきた著者がソーシャル・プロジェクトを成功に導くための考え方と進め方を丁寧に教えてくれる本書は、現場で役立つ実践的な内容。様々な要因が絡み合った複雑な社会問題に挑むには、たくさんの人がつながって、できることを持ち寄る「コレクティブな協働」が不可欠だと言う。問題のない社会ではなく、問題に対応できる社会システムを構築するための基本書。

〈効果的な利他主義〉宣言!
慈善活動への科学的アプローチ
ウィリアム・マッカスキル / みすず書房 / 3300円(税込)

「効果的な利他主義」という考え方が注目されている。アフリカの子どもの学力向上に大きな効果があったのは「学校に来たら寄生虫の薬をもらえる」という意外なものだった。発展途上国で医師になるよりも、先進国で医師になり、稼いだお金を発展途上国の有益な活動に寄付した方が救える命が遥かに多いと気づいた若者もいる。きっと私たちが考えているよりも、ひとりは世界に大きな影響を与えられる。

ソマリランドからアメリカを超える
辺境の学校で爆発する才能
ジョナサン・スター / KADOKAWA / 1760円(税込)

破綻国家・ソマリアから独立を果たしたものの、未だ未承認国家であるソマリランド。国際援助もなく高等教育の機会の乏しい同国にアメリカ人の著者が私財で建てた学校は、多数のエリートを輩出するようになる。様々な妨害や脅迫にも挫けずに、目標を達成するまでの驚愕のストーリー。

いのちが教えるメタサイエンス
炭・水・光そしてナチュラルチーズ
宮嶋望 / 地湧社 / 2200円(税込)

社会に居場所を見つけられない人たちが共に働き暮らす、北海道のNPO共働学舎新得農場。自然放牧酪農、世界一のナチュラルチーズづくり、バイオダイナミック農業、そしてメンバーの個性や自主性をリスペクトした組織運営を支えるのは、自然の摂理に沿った古くて新しい科学「メタサイエンス」の仕組みだ。微生物から草木、人、牛、天体まで自然の働きを活かした環境づくりから、健やかな社会の雛形が浮かび上がってくる。

風の谷のナウシカ 1~7巻
宮崎駿 / 徳間書店 / 429~555円(税込)

文明の発達が世界の崩壊をもたらし、荒れ果てた地で争いながら生きる人間たち。その中にあって、清々しい風のように人々の間を生き、勇気を与える少女ナウシカ。1983年の刊行以来、世界中の人々に読み継がれてきたナウシカの魅力は、単に優しさからではなく、真に世界を想うものに突きつけられる矛盾や深淵を受け入れ、苦悩しながらもすべてのいのちを愛しつづける姿から放たれているのだろう。コロナ禍にある今、本書からあなたはどんなメッセージを受け取るだろうか。

太陽とともに生きる
アリシア・ベイ=ローレル、ラモン・センダー / 草思社 / 2750円(税込)

週に一日、太陽の子として過ごすための楽しいアイデアがつまったこの本は、私たちと太陽のつながりをさらに深めてくれるはず。すべてのいのちの源である太陽への感謝とともに、心安らかにじっくりと実践してみたい生活法を全頁手書きの文章とイラストで紹介する1975年刊行のロングセラー。『地球の上に生きる』の姉妹篇。

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