vol.755

2022年1月満月のたより

料理の仕組み

Photo by Nadine Primeau on Unsplash

料理の仕組み

料理に理屈や仕組みだなんて味気ない、
感性や温もりは一体どこに?
でも、基礎や仕組み、構造を知っていれば、
話題の素材も、旅行先で初めて見た野菜も、
すぐに自分で自由に料理することができそうです。

一人でも二人でも大勢ででも、
美味しく食べて、もしかしたら健康になり、
良い時間を過ごす。

理屈や数字が人を媒介することで、
豊かでカラフルな時間に変化する。
もし失敗に終わったとしても、
それが意欲と好奇心がもたらしたトライ&エラーなら、
楽しい思い出になるかもしれません。


失敗を認めてやり直すのがベストなときもあります。
ピザの宅配を頼みましょう。
だいじょうぶ。
ただの夕食です——明日はまた新しい日になります。

– サミン・ノスラット –
『SALT FAT ACID HAET 塩、油、酸、熱』より


ITEM

Body/食

SALT FAT ACID HEAT 塩、油、酸、熱
4つの要素がわかると料理は最高に美味しくなる
サミン・ノスラット / 世界文化社 / 3828円(税込)

味を引き立てる塩、風味を高め触感をよくする油、バランスを取り、爽やかさを出す酸、食感を最終的に決定づける熱。楽しいイラストと共に、4つの要素と料理の「なぜ」を知り、しっかり味見をする。そして自力で自転車を漕ぐように、世界中の料理に挑戦し、自分の料理を作り出そう。

Body/食

Cooking for Geeks 第2版
料理の科学と実践レシピ
ジェフ・ポッター / オライリー・ジャパン / 3740円(税込)

Geek(ギーク)は日本語ではオタクと訳される場合が多い言葉だが、著者の定義によれば、物事の仕組みに興味を持ったり、どうやって動いているか突き止めたりすることを楽しむタイプを指す。指図されて動くよりも好きに遊びたい。本書にはそんなギークのための、料理の理屈がたっぷり詰めこまれている。

Body/食

フレーバー・マトリックス
風味の組み合わせから特別なひと皿を作る技法と科学
ジェイムズ・ブリシオーネ、ブルック・パーカースト / SBクリエイティブ / 3960円(税込)

生ハムとメロン、なぜその組み合わせが美味しいと感じられるのか。そんな風味の組み合わせを、本書ではマトリックスを使いビジュアルで解説。イチゴのケチャップやサーモンのコーヒー漬けなど、固定観念を打ち破る、新しく美味しいフレーバーのペアリングを使ったレシピ例も充実している。

Body/食

スパイスの科学大図鑑
香りの効果的な引き出し方や相性を徹底解明
スチュアート・ファリモンド / 誠文堂新光社 / 4950円(税込)

レシピどおりに購入し、一度使ったらあとは戸棚にしまったまま、気づけば賞味期限がとっくに過ぎている…そんなことになりがちなスパイスを、科学に基づいたルールに則ってわかりやすく解きほぐす。ビジュアルも楽しく美しい、ボリュームある一冊。

Body/食

ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室
キャスリーン・フリン / きこ書房 / 1628円(税込)

「伝統的なパンの材料はたった4種類だ。小麦粉、塩、イースト菌、そして水である。」「アルフレッドソースってのは、(生クリームに)パスタの茹で汁を加えて、少しだけ煮詰めたもの」。本書の太字部分を読むとなるほど…と思うと同時に、出来合いを買うのではなく、自分で一から料理することのシンプルさが見えてくる。料理が変わり、人生が変わる。であれば、ダメ女だけではなくダメ男も、ダメ人間全員の人生が料理で変わるのかもしれない。

Body/食

たすかる料理
按田優子 / リトルモア / 1760円(税込)

いわゆる通常のレシピのようには完結せず、途中で保存されたり、横道に逸れたりしながら、線のように続いていく自炊の様子、そしてそこから生まれた東京代々木上原にある按田餃子の「ふつう」なレシピ。実家の「ふつう」が実は「ふつう」じゃなかったに通じるような、按田餃子の「ふつう」が、自炊する人、しない人、一人一人の日常を助けてくれる。

Body/食

料理の意味とその手立て
ウー・ウェン / タブレ / 2530円(税込)

和えものを作る時、肉は繊維に沿ってせん切りに。白菜の茎は鍋には入れず、炒めものに。料理の方法や手順にはそれぞれ意味があり、手立てを得れば組み合わせは無限に広がっていく。シンプルさと丁寧さを何度も交差しながら、素材の美味しさを引き出す料理のセオリーを伝えてくれる。

Body/食

ごはんのきほん
レシピを見ないで作れるようになりましょう。
有元葉子 / SBクリエイティブ / 1650円(税込)

今ここにあるもので作ることができる、一生続くライフワークとしての料理を伝えるベストセラー、『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』。シリーズ第2弾は料理の入門編。ごはん、みそ汁、旬の野菜、そして救世主「家のパスタ」。レシピの文字ではなく、五感を使う料理の一歩目を教えてくれる。

Body/食

ふだんの洋食
レシピを見ないで作れるようになりましょう。
有元葉子 / SBクリエイティブ / 1650円(税込)

今ここにあるもので作ることができる、一生続くライフワークとしての料理を伝えるベストセラー、『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』シリーズ。流れを知れば、鍋の中身と対話しながら料理が出来上がっていくという…そんな洋食料理の境地を目指して、まずはフライパン料理の基本中の基本、目玉焼きからスタート。

Body/食

料理の四面体
玉村豊男 / 中央公論新社 / 712円(税込)

著者曰く「イッパツで料理の一般原理を発見し、それを知ったらあとは糸を紡ぐように引けば引くだけ次から次へと料理のレパートリーが無限に出てくる……というような方法がないものだろうか。」。そこから生まれた、マグロの刺身もサラダに見えてくる「四面体」という大胆な理論。独自の理論を押し通すことで料理の思い込みから解放される、そんな逆転現象が心地よい。

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