Meeting With Remarkable People #18

ジョージ・アダムスキー

1891 - 1965

ドイツ帝国生まれ。ポーランド系アメリカ人のUFO研究家。陸軍入隊を経て、放浪の生活へ。宇宙の法則について講演し、数百人の弟子を持つ。UFOを目撃し、地球外生命体の存在を論じ続けた。

われわれは骨折って働くけれども、みな幸せだ。山々はいつも眼前に横たわり、夜明け、白昼の日光、夕日などにより美しさが変化して決して飽きることはない。夕暮れどきは月光に輝くかまたは星星の満ちた空に黒く浮かんだりして特にすばらしい。

そしてときおり、上空にきらめく円盤を見る。たしかにこの数週間というものはUFOが近隣の町や都市で多数の人に目撃されている。私達は彼ら異星人が頭上に、そして全世界の上空にいることを知って満足しているし、遠からぬ将来、世界中の人々がUFOを見てその正体を知るようになり、現在知りながらも沈黙を守っている多数の人々が人類のために語りだすのを私達は望んでいるのである。』

空を見上げる人類。世界を見渡すもう一つの視点が、人々の意識を大きく広げる。未確認飛行物体(UFO)の存在を世界に知らしめた、ジョージ・アダムスキー。宇宙科学について大きな変革が起きた時代、その幕開けに、多くの議論を巻き起こした彼の生涯を追ってみたいと思う。

1891年、ドイツ帝国に生まれる。1893年、一家はニューヨークへ移住。母は神秘的な思想を持った女性であったらしい。記録によると、彼は8歳から12歳までチベットのラサに留学。ポタラの宮殿でチベットの秘教や東洋哲学を学んだという。帰国後は、カトリック神秘派教会に入り、伴僧として司祭の助手をつとめた。アダムスキー家の米国での暮らしは厳しく、義務教育過程を終えたあと、1913年から1916年までの3年間、彼は陸軍で軍務に服した。人生の目的を探し求めていた彼は、除隊後はしばらく放浪の旅を続け、あらゆる職業で生計を立てながら、チベットで学んだ真理や哲学を教え始める。1930年、40歳になった彼はカリフォルニア州に居を定め、生涯をこの地で過ごした。

「ロイヤル・オーダー・オブ・チベット」のリーダーとして、チベットの秘教や宇宙の法則を教えるために精力的に活動。彼を慕う弟子は数百人にのぼり、その講話はラジオを通して放送されるようになった。この頃、初めて天体観測の魅力と出会い、宇宙船らしきものを撮影したが、当時この正体を確認できる者はいなかった。

アダムスキーと彼の弟子達は、生活の糧を得るため小さなカフェを作り、弟子の一人であるアリス・K・ウェルズがこれを運営した。その近くに本格的な天体望遠鏡を設置し、天体観測を続けるうちに、決定的な出来事が起こった。1946年の流星雨の時に、宇宙船の大規模な編隊を発見したのだ。この現象は別の地域でも複数確認され、彼のもとに多くの問い合わせが寄せられた。

1952年頃、アダムスキーは宇宙船が着陸したという情報を入手し、数人の専門家と共にその地を訪れた。金星から来訪したという使者との最初のコンタクトである。その数年後、アダムスキーは金星人の宇宙船に招かれたと公言。その発言は大きな波紋を生み、終わりの無い議論が繰り返されることになった。催眠術説や米軍の軍事兵器説などが、アダムスキーを攻撃する主な理由とされたが、一方で頻繁に発見される宇宙船の報告も後を絶たなかった。その後も、彼は様々な星から来訪した使者と会見を続けたという。

アダムスキーによれば、スペースブラザーズと呼ばれる宇宙からの使者が、太古から地球に訪れていたという。彼らから伝授された宇宙哲学を彼は科学的に捉え、オカルトの類い、特に占星術やチャネリング、心霊などの情報と混同されないよう警戒していた。また、彼は自身の研究活動から金銭を得ようとせず、宗教からも距離を置いていた。ベッドに電線を這わせ、スペースブラザーズからの電波を体に取り入れようとするなど、奇妙な行動も多く、眠らず、食べず、一日中喋り続けることもあったという。

オランダ王女、ローマ法皇、ケネディ大統領らと会見、膨大な数の講演を行い、一躍、注目の人となったアダムスキーだが、彼の説に異論を唱える者も多かった。最期まで精力的に活動を続けたが、1965年、74歳の時、肺炎と心臓病のため死亡。ワシントン市アーリントン墓地に葬られた。

アダムスキーの登場は、月へロケットが飛び、人間の意識が地球から宇宙へと解き放たれた、宇宙時代の幕開けと重なっていた。人間以外の生命体の存在という、未知の可能性への扉は、私たちにどんな影響をもたらしただろうか?


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新アダムスキー全集  1~12+別巻
ジョージ・アダムスキー
中央アート出版社
1000~2800円+税

UFOや異星人は、『未知との遭遇』、『E.T.』、『インデペンデンス・デイ』、『エイリアン』など、常にハリウッド映画の題材とされ続けている。天文学者カール・セーガンによる小説、『コンタクト』が映画化され、娯楽として人々の興味を集めてはいるが、熱狂的な人々を除いて、実際の異星人やUFOへの関心は、興味本位や否定といったものが大きく占めているのではないだろうか。しかし、ユングが書籍『空飛ぶ円盤』を執筆し、UFO現象を元型と関連づけて考察しているように、宇宙生命体についてリアルに捉える可能性もゼロではない。UFO研究の先駆者であるアダムスキーの著作には、UFO体験だけではなく、著者による宇宙哲学が詳述されている。現在も支持者の多いアダムスキーの著作は、その真否はともかく、UFO現象の意味を考察するための古典的資料であることは間違いないだろう。

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