Meeting With Remarkable People #43

パラマハンサ・ヨガナンダ

1893 - 1952

インドが培った霊的真理とそこに至る具体的方法を西洋へ初めて紹介し、
普遍的な宇宙意識を自ら体現した人物。
最も優れた霊的資質を持つ者として、多くの人々に敬われた師のひとりである。

世界の偉大な宗教はみな、人々が神に目覚めて、
互いに兄弟になることの必要性を説いています。

そして、どれも十戒のような道徳的規範をもっています。
では何が相互の違いを生じさせたのでしょうか?

それは、人間の心にある頑迷さです。
われわれを神に目覚めさせるものは、教義の解釈ではなく、魂の自覚です。
おのおのの宗教の根底に横たわる共通の真理を会得すれば、教義の違いは問題ではなくなります。

 『人間の永遠の探求』より

Photo by parinay clickers on Unsplash


 西欧の人々が、東洋の神秘に注目した19~20世紀。ヨガナンダは、最も優れた霊的資質を持つ者として、多くの人々に敬われた師のひとりである。ヨガナンダを突き動かしていた、「霊的法則」とはいかなるものだったのだろうか?

 1893年、インド東北部、ヒマラヤに近いゴラクプールにて生誕。ムクンダ・ラール・ゴーシュという名を授かる。インド大手の鉄道会社副社長の父、そして愛の塊のような母。8才の頃、若きヨガナンダは大病にかかったが、父母が帰依したラヒリ・マサハヤ大師からの祝福で回復するという、大きな奇蹟を体験した。母の死後、精神的に大きな転機をむかえ、不思議な出来事が続く中、自分自身の進む道を強く確信する。

 彼は大学に進学しながら、僧院で暮らすことを選んだ。ここで、生涯の師スリ・ユクテスワに出会う。大きな愛と容赦のない叱責により、意識の揺らぎが現実に与える法則を科学的な観点から学んだ。その反面、大学の授業には殆ど顔をださなかったため、試験にはいつも悩まされていた。

 1914年、21歳の時、大学を卒業。父から鉄道会社の管理職をあてがわれたが、辞退した。師スリ・ユクテスワの元、スワミ僧団に入団、名をヨガナンダと改めた。ヨガのもつ論理的かつ具体的なメソッドは、精神と肉体を融合させる助けになると確信し、人種の壁を超えて広めていきたいと願った。

 1917年、24歳の時、ベンガルで子供たちの教育に着手。さらに翌年には、地元のマハラジャの支援のもと、中学校と高等学校の教課をもつ学校を編成した。それは、いかなる宗派にも属さないもので、古代の聖賢たちの教育法にならって、授業の殆どは戸外で行われた。

 1920年、27歳の時、アメリカで開かれる会議に、インドの霊的資質を紹介する使者としてヨガナンダが選ばれた。2年後には、アメリカ大陸横断の旅に出発。行く先々の主要な都市で、熱心な聴衆を前に講演を行う。ロサンゼルスに、ヨガ指導のためのアメリカ本部セルフ・リアリゼーション・フェローシップ(SRF)を設立。インドの質素な生活を懐かしみながらも、この大きな役割にヨガナンダの魂は突き動かされていた。1927年、34歳の時、当時のアメリカ大統領と接見。意外なことに、ヨガナンダの著作のファンであったという。植物学者ルーサー・バーバンクとも厚い親交を結び、新しいタイプの教育について、大いに意見を交換した。

 1935年、42歳の時、師スリ・ユクテスワの死を直感した彼は、またアメリカへ戻ってくることを約束して帰国。祖国の熱烈な歓迎と、師との再会を果たし、「パラマハンサ」という僧侶の肩書きを授かる。ヨガナンダ自身のアイデンティティの象徴でもある、師の死により、悲しみの淵に沈んだが、一時的に「復活」した師から、生と死と魂に関する膨大なメッセージを受けたという。

 その後も世界中で講演活動が続けられた。マハトマ・ガンジーとは、政治問題の解決の糸口として、霊的洞察、自己犠牲と放棄の精神について語り合った。世界を祖国としたヨガナンダは、各地にSRFの支部を建設。霊的法則を着実に西欧社会へ紹介し、東洋と西洋の絆を深めていった。

 1952年、59歳の時、自分の死期を悟ったヨガナンダは、駐米インド大使との会見の後、今生の役目を終えて静かに息を引き取った。亡くなる一時間前に撮影されたヨガナンダの微笑みは、新しいステージに向う魂の喜びを表しているようである。

 インドが培った霊的真理を世界へ紹介するとともに、自ら体現し、その具体的方法を残したヨガナンダ。彼が残した「魂の科学」は、人類が学んでゆく必須の教科過程となるかもしれない。


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