音楽家の坂本龍一さんが先日他界されました。
数年間にわたる闘病中も音楽活動だけではなく、
明治神宮外苑地区再開発の見直しを求める手紙を小池都知事に送るなど、
他界される直前まで、社会活動にも積極的に関わる姿勢を保ち続けていました。
改めて読み返すその発言には、今へと続く坂本さんの思考や活動の足跡がうかがえます。
追悼の意を込めて、今回の『Interview Archive』は、
2000年12月ニューヨークで収録され、
ブッククラブ回発行『Spiritual Data Book 2002』に掲載された、坂本龍一さんのインタビューを再掲いたします。
Spiritual Data Book 2002
2001年9月。アメリカを同時多発テロが襲った。
そのちょうど10ヶ月前、私達スタッフはニューヨークを訪れ、坂本龍一氏のお話を伺っていた。
たった10ヶ月という短いスパンの中で、見える世界は大きく変わってしまったように思う。
しかしそれは、「臨界点を超えた」だけで、常にそこにあったものかもしれない。
坂本氏のメッセージには、「事件」を予感させるような、
そして、この先の未来を俯瞰するような言葉が含まれている。
私達の想像力を超える存在をイメージするとは、どういうことだろう?
(このインタビューは、2000年12月に収録されました。)
最近の活動を教えてください。
2000年の前半は7月一杯まで、殆どツアーに出ていたんです。ヨーロッパ、アメリカ、アジアも一部回って来ました。というのは日本では既に1999年に発売されていた『BTTB』というアルバムが、世界では2000年の初頭にリリースされたので、そのためにあちこち回っていました。それから地球外生命体調査プロジェクト「SETI」に楽曲提供もありましたし、他には2001年の4月にTBS系で放映される『地雷ゼロ』という番組の音楽を担当しているんです。結構大仕事なんですがチャリティなのでギャラは勿論無いです(笑)。曲は15分程あるのですが、アジア、アフリカ、欧米なんかの人達を巻き込むチェーン・レターのような音楽を今作り始めています。
あと1月には以前から計画をしていたのですが、ブラジルのボサノヴァの帝王といわれるアントニオ・カルロス・ジョビンの家を借りて、そこで彼自身の音楽を録音する予定です。それと音楽では無いのですが、毎年の4月22日に「Earthday」というイベントがあるのですが、2000年のアメリカではイベントのチェアマンを俳優のレオナルド・デカプリオが務めたんです。アル・ゴアを筆頭にたくさんのスピーカーやロックバンドが出ました。そういったイベントが日本でもできないかと思って、実は今、若い世代の人や様々なジャンルの方と集まって、日本のEarthdayをもっと浸透、普及させようと動いています。できれば2000年中にNPOを申請しようと思っているんですが。他にはデザイナーの中島英樹、編集者の後藤繁雄、それから空里香と僕の4人で「code」というユニットを組んでいるんです。環境問題を意識しながら流通を見直そうという運動です。
メンバーには出版関係の人が多いので、今までは出版物ばかり出してきたのですが、これからは生活する為の基本となる日用品、水とか食べ物とか、衣服なども僕達「code」の目で良いと思う、欲しいと思うような物を出していきたい。有機農法をやっている農家と直接連絡を取りあって、そこから仕入れたものを会員だけに売る。で、その売り方も日本の(円)と「code」内だけで流通する地域通貨も使えるようにするつもりです。それと柄谷行人さんが中心となっている運動で「NAM (new associationist movement)」というグループにも参加しています。ここでも利子を生まない(投機が起きない)地域通貨を使おうとしています。「NAM」は柄谷さんに誘惑、というかおどかされて(笑)会員になったのですが、僕としては環境問題に関心があるので「NAM」的に環境運動をやっていくとどうなるか興味がありますが、「NAM」内には地域通貨(LETS)のグループや、協同組合、オルタナティブ・トレード、従来の生協などと連係した流通を作っていこうというグループや、「NAM」的フリースクールを作ろうというグループもあり、かなり僕達の「code」と関心が似ているのです。音楽以外のことが忙しくて(笑)。
環境問題に深く関心を持つようになったのはどのようなきっかけがあったのですか。
40才を過ぎて自分の体に変調、まあ大きな変調ではないのですが、やはり老化が始まったのを自覚して、そういう時に野口整体、野口晴哉さんの内弟子だった三枝誠さんという整体師に紹介されて御会いしたのがきっかけです。それまでは、「気」や身体のことにあまり関心がなかったのですが、その出会いをきっかけに一挙に関心を持って、取り寄せ可能な野口さんの書籍は全て取り寄せて全部読んだのです(笑)。そして自分の身体感覚に少し目覚め始め、外経絡としての環境を意識し始めたんです。それと普段何気なく食べているものにも関心を持ちマクロビオティックにも出会いました。
これも桜沢さんの本を読んだり、久司さんに御会いしたりしました。毎日空気を吸ったり、物を食べたりしている自分の身体感覚に目覚めると、生物は環境と深く関係しあって生きているということに気づかされるので、そこで一気に関心を持ったのです。野口先生の本は装丁のセンスが良いですし、あのオリジナルな直筆の字が好きです。
南方熊楠は1980年代に随分紹介されて有名になったけれども、僕は野口さんや桜沢さんは南方熊楠に勝るとも劣らない巨人のように思うのですが、全く一般には知られていないというのがビックリしますね。
野口さんの本も、桜沢さんの本も普通の書店では売っていないというのは、おかしいと思うんです。世に知らしめたい本だけれどもアベイラブルでない本というのはたくさんありますね、勿論文学書もあるし。そういうものを電子出版や紙の媒体を使って「code」ではやっていきたいと思っているんです。
マクロビオティックの日本CI協会の方にも、そういったことを申し出をしたらとても喜ばれて、桜沢さんの重要な本を一般の本屋にも置けるようにしたいと思っているんです。野口さんの書籍に関しても紹介できたらと思うのですが、野口さん自身、自説をあまり広めたくは無かったような印象も受けますね。
野口整体のことを全く知らないと逆に拒否反応を起こす場合があるようですね。
そうですね。僕自身、野口整体に出会って薬を飲む、飲まないとか、ケガをした時にどうするかとか、西洋医療とどうつき合っていけばいいのか、深く考えさせられますね。決断しないといけない時点がある。絶対薬は飲まないとか西洋医療の病院に行かないということではなく、マクロビオティックでも玄米しか食べないという人もいますが、きっとそういうことではないんだろうと思っています。
野口さんなどは肉もバリバリ食べていたし、タバコもバンバン吸っていたようです。マクロビオティックの久司さんもスモーカーです。信奉者はどうしても狭くなってしまう所があるのですが、始めた人というのは実は凄くおおらかで広いんです。そういう精神で僕も行こうかなと思っているんですが(笑)。
そういうことを実践なさって、創る音に影響はありましたか。
どうかなあ(笑)。でも早起きになったし生活習慣や仕事のやり方は随分と変わりましたね。それまでは朝まで起きているような生活を40才位まではしてきたんですが、すっかり逆転して夜の12時以降は起きていられない体になってしまったんです(笑)。
30代までは一つの仕事を2日位徹夜でガムシャラにやっていたんですが、周りのマネージャーや僕の仕事に付いている人は大体1年位で病気になったり入院したりするんですよ。
その当時は意識してなかったけれど、外経絡の話でいうと僕が全部周りの気を吸ってしまっていたようでしたね。それまでの僕を知っている人、勿論ファンも含めて今は180度転換しているように見えるんではないかと思います。環境とか身体とか玄米とか言ってるんだからねえ(笑)。それで去年やった「LIFE」というのが、その時点での環境意識の一種の集大成だったのですが………。一部のファンからは非難轟々だった。他にも環境を意識しているのにタバコ吸っていると周りからバッシングされていたりして、もうアホかって(笑)。
そういう問題ではないですよね。
最初に整体の三枝誠さんを紹介してくださったのが、ある有名なアーティストなのです。たまたまその方と一緒に仕事をした時に「ちょっと手相を見せて」と言われ、見てもらったら「あんた死ぬわよ!」と言われたんです。その方自身20年以上も整体を実践されていて仕事にしても手の抜き方もちょっと考えた方がいいと言われたんです。それと古武術家の甲野善紀さんという方もかなり昔からマクロビオティックや整体、合気道もやっていて身体のことは詳しく、整体師になるために一時修行していたそうです。この辺の方達は、合気道、マクロビオティック、整体、この3本の柱が中心となっていて、僕自身も追っかけというわけではないですが、合気道や甲野さんがやってらっしゃる古武術にも興味があるんです。それもやっぱり身体意識の延長だと思うのですが、近代的、いわゆるヨーロッパ式の身体の使い方じゃない技術というのが明治以前の日本にはあって、言ってみれば世界各地に散らばる先住民の文化に伝わる技術ですね。沖縄にも独特の身体技術があるということですし。関連づけて言わせていただくと、近代的、20世紀的な「大量生産、大量消費、大量廃棄」の文明というものが限界まできているので、自然資源を商品にしてお金を得るという流れをどっかで転換させないとバランスが壊れる、もう壊れ始めているんですが、こういった流れの源流には一万年前の農耕があるんです。それ以前というのは、何十万年も人類は狩猟・採集をして生きてきたのですが、その時代には世界人口も500万人程で急激な人口爆発も起こさなかった。それが農耕を中心とした生活に変わって現代にまで来たのです。人口が上手くつり合っていた時代の生き方も参考にしつつ今の技術も使って、この悪循環の流れを断ち切らないと未来は無いと思うんです。
今の環境破壊や人口の急増も、バランスを取り戻すため自律的に機能しているという考え方もあるようですが。
そうですね。どのくらいの時間のスパンで自然を見るかによって異なります。地球の寿命の約100億年という時間で見るのか、人類の時間で見るかによって随分変わってくると思います。長いスパン、地球の時間でみれば、何百万種いる生き物の中で人類という種だけが環境をこれだけ破壊し地球の表面を変えているので、自然にとって人類なんていないほうがいいに決まっているのですが、今、そのツケが人類にだけでなく、他の生物にも多大な影響を与えながら自滅に向かっている。
だから100億年くらいの時間のスパンでみれば、どうぞ勝手にやってくれとも思うんです。僕はそれはそれでそういった時間の視点も持っていて、地球に最初の生命が出てきたのは大雑把に言って40億年前、地球ができて5億年位してから出てきたと言われている。
そして地球が死ぬまでに後約50億年あるとすると、大型のほ乳類などは死滅しても、微生物達は必ず残っていく。もしかしたら、太陽がスーパーノヴァ、超新星となって死を迎える時に物凄い電子の嵐が地球に向かって吹いてくる時に、微生物達が宇宙空間に飛んで行くんですね。それで何億年かかかって地球に似たような星に辿り着き、あるいは全然違う環境の惑星を見つけて、そこで進化し始めるかもしれない。これはヒンドゥー的な輪廻に近いんじゃないかと自分で勝手に思っていて、こういった時間感覚で見ると地球の環境やなんか、まあ放っといてもいいかなとも思うんです(笑)。
でも自分の生や自分の子供というように、非常に短いスパンで見ると、やはり「嫌だな」と。誰かが自分達の利益の為に自然を加工しまくったり、地球人口の1%に満たない人達の利益の為に60億もの人が死ななければならないというのは不公平ですよね。
こういった考えの延長に地球外知性体探査プロジェクトの「SETI」に楽曲提供などがあるのですね。
我々の想像力を超えるような非常に遠くにある存在を想像することによって、俯瞰した目で人類を見直すということですね。まあつまらない言い方かもしれないけれど地球意識ではなく、宇宙意識ということかな。人間は歴史とともに想像力が広がってきてますね。例えば日本でも100年ちょっと前までは部族、藩同士で争っていたわけですが、それが明治になって国というまとまりになって、その延長で今は地球意識というように広がっていますね。今の日本で川を挟んで長野県と山梨県が戦争したら笑い話にもなりませんよね。でもつい150年前まではそういうことが行われていたんです。だからその位の時間で我々の想像力というのは広がっていくので、そのための一つのヒントとして地球外知性体がある。例えば「SETI」から地球外知性体がいるらしいという情報がもたらされるとすると、特にヨーロッパ人なんかは敵じゃないかと思い、取りあえず紛争をやめて一つにまとまると思うんです。
まあ、これも人類の悲しい性で外に敵があると、一つにまとまるということを繰り返しやってきたんですね。だから「SETI」でなくても、例えば地球に小惑星が近づいていて、一年後に地球にぶつかるという発表がされると、大騒ぎになると思うのです。
それを回避するために全ての政治家や関係する科学者が会議を開いて一生懸命やると思うんです。今の環境問題というのは1年後ではないけれど30年後に小惑星が確実に地球にぶつかる位のヤバイ状況ですよ。ところが人間というのはまた悲しくて30年先と言われると解らなくなるんです。地球外知性体というものも想像力の地平線の向こうにあるので想像できないものだけれども、時間に関しても人間は視野が狭くて20年後、30年後は想像できないという非常に限界がある生物なんです。
その人間のリミットというのは外せないものなのでしょうか。
いや、外せるでしょうね。それはやはりいろんな知識とか、例でいうと有名な天動説、コペルニクス的転換と言われているように、想像力は転換して広がっていくわけだから、時間に関してもそれは可能だと思うんです。僕は凄いなと感じているのは、アメリカの先住民のある部族には、物事を決めるのに7世代先のことを考えて決めるというルールがあるんです。7世代というと約250年先ですね。
例えば植林して森林になるのにすくなくても100年とか200年かかると言われます。ということは、我々が木を切ってお金を稼いでるということは、200年前の人が考えてやってくれた、あるいは自然が何億年もかけてやってくれたものを大量に消費してしまっているわけですよね。もし、それをやるんだったら200年後のことを考えて補完することが必要です。その再生コストも商品の定価に含めて、つまり使ったものはちゃんと元に戻すべきですよね。そういう経済システムに転換しないと今後絶対に持たないですよ。例えばこの皿が今5ドルくらいで買えるとすると、下手すると補完のコストを含めたら50ドルになってしまうかもしれない。そうすると、みんなどこかおかしいと気付くんです。日本の地方自治体などで環境税の導入が検討されていますけども、自然の再生コストまで含めたものは無いでしょう。これは世界経済の根幹の問題だから現実的には実現するのはなかなか難しいと思いますけれども。
友達の村上龍が経済学を勉強しているので、僕も真似して経済学の本なんか読んでみるとね(笑)、経済学の体系の最初に書かれているのが、ナチュラル・リソース(自然資源)というのはフリー(ただ)だということです。これは現在の視点から考えるととんでもないことに思えるが、まあ20世紀初頭までは、こんなに人口が増加するとは思っていなかったのでそれでもよかったんでしょうけれど、現在はもう60億もの人間を養えない状態になっていますね。解決策としては60年代の生活に先進国がスケールダウンすれば、なんとか100年位は危機を先延ばしできるかもしれない、その間に技術開発を進めていくことも可能かもしれない。しかし日本の例で言うと、60年代に戻すどころか、バブル期の90年に戻すのでさえできないと言われているんです。人間の歴史の中でここまで自然資源と人間の活動のバランスが限界まできたことが無いわけで、人類史上初めての体験をしているんです。それをどう乗り越えるかというのは、過去にはそういった歴史が無いので答えが簡単に見つからないのです。
ローカルな文明、ローマ帝国や、ギリシャ文明が壊れたというのはありましたが、今地球を覆っている一つの文明といっていいほどの大きなものが、限界にぶつかって乗り越えるための思想とか宗教とかの手持ちが無いんですね。ということは今生きている人間が知恵を出し合って考え出さないと乗り越えられないんです。勿論過去の優れた宗教、文化、文明、思想、例えば仏教の教えやアメリカ先住民の生き方の知恵などは勿論参考にするけれども、みんなにやれといってもそれはできないだろうし、十分に参考にしながら新たに創りだしていかないといけないという所に来ているんではないのかな。
意識を変換させるために音楽を使うという方法は考えますか。
そういう方法もあると思うのですが、僕には向かないというか上手くできないかなと思うんです(笑)。でもそういうことも考えたりします。僕は今まで長いこと、社会的な活動や政治的な発言をするというのをずっと控えていたんですが、環境への憂慮が大きくなってきたので、自分の有名性も使えるんだったら、手段として使ったほうがいいと決断したんです。それ以来発言も多くなってきたんですが、音楽を使うというのも少し考えたことがあるんです。生ギターでも練習してメッセージソングみたいに「♪地球を守ろう」とか歌っちゃおうとかね(笑)。まあこれは冗談ですけれど、そういったこともチラッと頭をかすめるけれど僕にはできない気がしますね。
坂本さんが紹介している野口さんの書籍は普通に売ってないものもあるので、「坂本さんの紹介していた書籍をください」というお客さまがいらっしゃる時はうれしいですね(笑)
野口さんの思想を受け入れる、受け入れないは個人の決断ですけれど、取りあえず手にとって見れるということが可能であることは大事ですよね。その上でそれぞれ、やる、やらない、もしくはどう取り入れるかを決めればいいんですね。
坂本さんの「夢」は何ですか。
僕はイタリアが好きなので、少し前まではイタリアの田舎に古い農家でも買って、改築して自分のスタジオにして住み、裏庭に小さなブドウ畑があって、自分の名前を冠したワインなんか作って気楽に過ごしたいというのが夢でしたね(笑)。でも最近はアメリカのドット・コム・バブルのおかげで若い小金持ち、いや大金持ちのアメリカ人がイタリアのトスカーナという地方に、どんどん家を買っているという話しを聞いてちょっと嫌だなという気になっているんです。でもそうは言っても地球上にまだまだ良い所はありますから、例えば一年の内、三ヶ月はアフリカ、イタリアに三ヶ月、ニューヨークに三ヶ月、日本の屋久島に三ヶ月というように気楽にいけたらいいなと。まあわりと現実的な夢ですけれどね。あとは、一度は生きているうちに宇宙から地球を眺めてみたいというのも夢ですね。この前、宇宙飛行士の毛利衛さんとお話する機会があって僕も行ってみたいなと、1%の望みも無いかもしれないけれど、企画次第では望みも出てくるかもれない(笑)。その場その場ではいろいろ、夢は出てくるんですけれど……。もっと現実的な夢ですと、自給自足できるような環境ですね。生きていくのに大事な水、空気、食べ物、あとエネルギーですね。しかし意外と難しいんですよ、こういった環境をそろえるには。それに一人では技術的にも物理的にもできない。だから「code」のメンバーとどこかに移住しようとよく言っているんです。分業にしてね。例えば風力システムなんかはみんなで共同でデカいのを建てようとか、水はもうどうしようもないのできれいな水が流れている場所を探し、菜園ができるような良い土壌を持った土地、しかも産廃とか原発が近くに無い所。でも今から農業を一から勉強するのは大変なので、近くに理解ある農家がある所とか。なかなか難しいですね。2年前には炭焼職人なんかもいいなと思ったんですけれど、炭だけでは食べていけないし、まさか炭を食うわけにはいかないし(笑)。
スイスにシュタイナーの思想、自然観を基にした石鹸や化粧品を作っているヴェレダという会社があるんですが、そこは大きな畑を持っていて、どうやらコミューン的な暮らしをしているようですね。アメリカにもそういったコミューン的なものがまだあるし、オーストラリアにもある。持続的農業(パーマ・カルチャー)という考え方・技術があって、この考えは建築などにも活かされて、極力エネルギー消費を減らし、徹底したリサイクルをやっているコミュニティが結構あるみたいです。そこに地域通貨のLETSを取り入れてわりと上手くやっている所もあるようです。そこで生活している人間達は全員農業をやっているわけではなくて、普通の学生もいれば、弁護士などもいてみんなが協力して上手くやっているというレポートを読んでとても興味がわいた。地域通貨にもういろいろあって、世界には3000ほどあるようです。その中でも最大の地域通貨はアルゼンチンのもので、これは30万人ものありとあらゆる職種の人が関わっているそうで、取り引き額は10億ドル相当だそうです。
それを調べに経済学者、地域通貨の研究者である西部さんが、今アルゼンチンに調査に行ってます。
もう一つ唐突な質問ですが、私どもの書店は精神世界専門と言っているんですが、自分とは何だろうというのがメインテーマでもあるのです。そこで坂本さんにとって自分とは何か? という質問をさせていただきます。
難しい質問ですね。あのね、うーんと………。解らないです(笑)。でもいろいろな見方があって、意識、まあ自分の持っている自己意識というのがあって、もう一つは生物としての自分というのがあるとします。人間の意識自体がよく解ってないから、前者のほうはあまり解らないです。生物としての自分は比較的解りやすい。蟻もライオンも人間も生物ですから共通のものを持っているわけです。生物の2大目的というのは、個体維持と種の保存ですよね。個体維持というのは食べること、つまり代謝で外の物を取り入れてエネルギーとして使う。そして種の保存というのはリプロダクション、再生というか生殖で、次の世代を残すということ。そう考えると自分は大体もうやってしまった。もう子孫も作ったし、毎日食べているし、まあ死ぬまで食べているんでしょうけれど、どちらかといったら種の保存の方が大事なんですね。個体というのは種の保存の為に生きているのであって、ドーキンスの利己的遺伝子ではないけれど種の保存が大命題であって、昆虫や他の動物を見ると次世代を作るために生きているように感じます。昆虫などは幼虫の時、親になるまではひたすら食べて代謝をして、成虫になって地上に出たらもう食べない、あるいは口や消化器官そのものが無い昆虫が随分いるようです。自分の子供の顔も勿論見ずに生殖だけして死ぬ。昆虫を見習うということは僕は生の基本だと思っているんです。よく例に使うのですが「17年ゼミ」というのがいるんです。土の中に17年もの間生きていて地上に出て親ゼミになると2週間しか生きていないのです。その間食べずに生殖だけして死んでいくんです。僕はこの例が好きで、僕達も基本はそうだと思えてしかたがない。こうやって仕事をしているのも、よりよい異性を得るという生殖活動の発展形ですよ。僕は子供も4人いるので僕の生の命題はもう終わり。あとは与えられた余暇みたいなものかな(笑)。でも日本が抱える債務は700兆円とも言われていて、単純に日本の人口で割ると一人大体500万円、一家族2000万円もの借金を抱えている計算になります。
これは返せないですね。国の借金というのは国民一人一人の借金という意識が全然なく、ゆくゆくは後の世代の負担になるので、公共事業はやめてくれとか、そんな高い戦闘機買うなとかこれ以上お金を借りるなとか、そういった実体が分かっていればみんな言いますよね。でもこの国ではそういった実体をみんなよく分かってないようです。
借金を重ねている世代はどんどん死んでいくだけですが、そのツケは次世代、将来の世代の人が払うんですよ。どんどん少子化していっている現実なのに。その解決策というわけではないのですが、国ごと破産してしまうか、スーパーインフレにするか、もしくは戦争ですかね。誰でも少し考えれば解るはずなのに誰も意識していないことは、現在の資本主義では誰かがもうかっていることは誰かが損をしているということですね。世界の経済活動をまかなう貨幣が、確か1/10にも満たないということです。誰かが余計にぶんどっていることになりますよね。で、それを促す利子という怖い問題があります。ヨーロッパ、キリスト教圏では17世紀まで宗教上の理由で、人の生存を脅かすという意味で利子が禁止されていたそうです。現在でもイスラム圏の銀行では利子を禁止している。利子の怖さを分っているんですね。最近注目されている地域通貨は利子を生まずに、交換の単位として機能し、負債を次世代に残さないように考えられています。
ただそれだけでは20世紀に我々が残してきたゴミ、債務だったり実際のゴミや化学物質、あと放射能のゴミなどはなくならない。放射能に関しては、ほんとに人間の愚かなところで処理する技術が無いのに取りあえず出てしまったので宇宙に流そうとか、コンクリートで遮断して処理技術ができるまで地中に埋めようとか、こんな無責任なことは無いと思うんですが、これが今の人間の実体ですね。原発から出るプルトニウムは半減するのに2万4千年かかると言われていて、ウランでは半減するのに4億年かかるというんです。チェルノブイリ原発も厚いコンクリートで覆いましょうということで、日本やアメリカがお金を出しているんですが、そのお金というのがまた何百億もかかるんです。コンクリートは30年ほどで劣化するのにも関わらずですよ。なんともなさけない話ですね。先程の小惑星の話ではないですが、人類の知恵を結集しても果たして、という気もします。
問題の解決方法はどのようなことが挙げられるとお考えですか。
日本が膨大な債務を抱えているにも関わらず、街では良いもの着て、良いもの食べて、若い世代は何やったらいいか分からない、なんて言って甘えている人が多い。いろいろな事実を見るとかなり早い時期にそんなこと言ってられない状況、例えば大量失業などが来そうな気がします。明日何を食べて生きようとか、どうやって着るものを手に入れようとか、電気が止まったとか、そういう状況になれば受験に失敗したからって人を刺したりとか、そんなことしてられないわけです。野口さんか桜沢さんの話だったと思うんですが、面白いことに戦争中は病気が少なかったと、精神病も少なかったと言います。これは日本だけではなくイギリスでもそういうデータが出ています。いろんなものが欠乏するとそういった甘えは言ってられないし、食べ過ぎれば身体にダメージがあるわけですしね。今は最後の日本の甘えの病理が見えますけれども、もうそんなことは言ってられないですね。目の前に突き付けられないと、人間というのは視野が狭いし、想像力の限界があるのでなかなか変わらないようですね。でも変な例ですけれど、オウムの子供とかが入ってきた地区は住民が騒ぐでしょ。僕はあれを見て日本人も捨てたもんでは無いなと思いました。目の前の損得になると危機を感じて住民が団結して抵抗するという、あれだけのエネルギーがあったんだと、感心しました。
最後の質問になるのですが、坂本さんが影響を受けた本、映画、音楽を教えてください。
子供時分のことから考えると、昔の東宝映画の『地球防衛軍』とか『ゴジラ』『モスラ』とか、あとはハリウッド映画の『アラモ』『史上最大の作戦』などジョン・ウェインが出ていたものとか、アメリカのテレビドラマといいますか、『コンバット!』とか『パパ大好き』など、皆さんはあまり御存じないかもしれませんが60年代のアメリカのテレビドラマなどからも随分と影響を受けていると思います。勿論キューブリックも好きですし、一番影響を受けたのはゴダールですかね。15、16才位の自意識が芽生える頃にぶつかったので、とても影響を受けましたね。
音楽で影響を受けたのは、バッハとドビュッシーですね。あと、まあビートルズもあるかもしれない。あと本はですねえ、子供の時から辿って行くと幾つかあるのですが、僕の父が編集者だったので、僕が物心付く前から埴谷雄高という名前が父の口からよく出ていたんですね。僕は覚えていないんですが、家にもいらしたことがあるそうです。なぜか僕の深層意識に埴谷雄高という名前が入っていて、自分で手にとって読み出したのは高校に入ってからなんですが、それまで音としてのハニヤユタカという響きと、手にとって読んだ時の埴谷雄高がその時初めて一致したというのを覚えているんです。同時に高校の時には吉本隆明とか柄谷行人とかも読みましたし、あとはデリダとかフーコー、ドゥルーズにも影響を受けていると思います。
いろいろな情報がいろんな形で手に入れられる中で本の魅力というのは何でしょうか。
まず、コンピュータのディスプレイでは本を読みたくないですね。目が疲れるし閲覧性が悪く、不便ですね。紙の本は、簡単にページをとばせて、後ろからも読めるし、携帯性も良い。グーテンベルグの本などもまだ残っているので、まあ何百年も保存が効く。パピルスも何千年も持っている。今の考えですと、コンテンツを0と1にしておけばメディアが変わっても情報として残るわけですが、長い目で見ると果たして0と1がどのくらい持つのか疑問ですね。半永久的と言われていたCDの寿命も約10年しか持たないということが明らかになったし。あと、僕は紙とインクの匂いが好きなんです。だから本屋に行っても匂いを嗅ぐんです。装丁や見た目も大切ですしね。人間は情報だけを持っていたいのではなく触って、匂いがあって、見れるという総合的なものを求めていますよね。今コンピュータがやろうとしているのは中身のコンテンツ、情報だけを保存しておこうとしてるわけですが、そんなに長くは続かないと思うんです。例えば野口さんの書籍なんかは装丁も非常にセンスが良いですし、一冊一冊ちゃんと本棚にしまって置きたくなりますね。
オリジナルな魅力を持つ天才と言われる人は他の人と何処が違うとお考えですか。
生まれながらの天才というのは実はいろいろな所にいるんでしょうね。野口さんなんかも自分にそういった力があるのを知らずに9才の時、関東大震災の時に怪我人や病人に何気なく触ったら治ってしまったり、死ぬ人が前もって解ってしまうので、あんた死ぬよと言っていたら嫌がられてしまったり(笑)。こういったことは天賦の才ですよね。でも野口さんの凄い所は、物凄く勉強をしていたという所です。多分あの当時、フロイトもユングも読んでいたんだろうし、まあ街の才能のある治療師と言われる人とそこが違う所でしょうね。あと余談ですけれども60才位で野口さんが亡くなられた時、野口さんが診てらした政治家や皇室の方が、すぐにバタバタと亡くなられたそうですね。野口さんは俺に頼るな、治す力は自分の中にあると言っていたのに、悲しいですが結局みんな野口さんを頼っていたのですね。
本日はどうもありがとうございました。
音楽家 坂本龍一 / Ryuichi Sakamoto
プロフィール
1952-2023年、東京生まれ。
1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「YELLOW MAGIC ORCHESTRA (YMO)」を結成。散開後も多方面で活躍。映画『戦場のメリークリスマス』(大島渚監督作品)で英国アカデミー賞を、映画『ラストエンペラー』(ベルナルド・ベルトリッチ監督作品)の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。常に革新的なサウンドを追求する姿勢は世界的評価を得た。
環境や平和問題への言及も多く、森林保全団体「more trees」の創設、「stop rokkasho」、「NO NUKES」などの活動で脱原発支持を表明、また「東北ユースオーケストラ」を立ち上げるなど音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行う。
2013年に山口情報芸術センター(YCAM) 10周年事業のアーティスティック・ディレクター、2014年に札幌国際芸術祭2014のゲストディレクターに就任、2018年にはソウル(韓国)に完成したアートスペース「piknic」において複数のサウンドインスタレーション作品を展示した「Ryuichi Sakamoto Exhibition: LIFE LIFE」展を開催し6万人以上を動員するなど、アート界への越境も積極的に活動。
2014年7月、中咽頭癌の罹患を発表したが、2015年、山田洋次監督作品『母と暮せば』とアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽制作で復帰を果した。2017年春には8年ぶりとなるソロアルバム「async」を、同年末よりICC(東京)において新作のインスタレーション《IS YOUR TIME》を発表。その後も多数の映画音楽制作を手掛けるなどハイペースの活動を続けていた。
関連書籍
CD
ryuichi sakamoto(坂本龍一) / エイベックス
2074円(税込)
音の粒や響きがコンセプトのオリジナルアルバム。柔らかく繊細なピアノベースの楽曲やシンセサイザーの静謐なメロディ、北極グリーンランドでサンプリングされた音を使った3部作などを収録。純粋に音だけを楽しむことを目的に制作され、坂本自身が聴きたかった音を表現しています。パッケージレス版の本作は、売上の一部が環境保護のためのカーボンオフセットに充てられています。
書籍
音を視る、時を聴く
[哲学講義]
大森荘蔵、坂本龍一 / 筑摩書房
1100円(税込)
イメージは頭にあるのだろうか、それとも身体が感じるのだろうか、そして言葉はそれとどのようにかかわるのか。人は時間を、そして音をどのように知覚するのか、あるいは、それは客観的に計測できるのか。哲学や諸科学がさまざまに論じてきたこれらの問いに正しい「表現」を与えるべく、世界的ミュージシャン・坂本龍一の問いかけに、時間と感覚について独自の思考を展開させてきた哲学者・大森荘蔵が応える先鋭的な哲学講義録。1980年代の傑作対話がここに。
音楽機械論
ELECTRONIC DIONYSOS
吉本隆明、坂本龍一 / 筑摩書房
1320円(税込)
1984年、東京―思想界、音楽界の巨人が音楽・文化について語りあった。坂本の創作現場に吉本が立ち会い、デジタル・シンセサイザーなどを用いた最先端の作曲手法を坂本が解説する。そこでは音楽が作品として屹立していく様が丁寧に描かれ、同時にモードが変わりつつある文化の時勢を見極め、未来を予測する先見的な対話が紡がれた。既成概念が壊され、技術革新による新時代到来を予見できた時代の、出色のドキュメント。巻末に1984年を振り返る、坂本への文庫版特別インタビューを収録する。
野口晴哉 / 全生社
1980円(税込)
風邪をひくと、何も考えずに薬を飲んで一刻も早く治してしまおうとする私達の観点を180度くつがえす本書。風邪は、体が悪い状態になっているわけではなく、むしろ偏り疲労を正常な状態に戻し、より進化するための兆候であるとの考えは、かなり斬新なものである。しかし、もともと抗生物質はペニシリンの青カビを代表として、各種のカビによって作られたものであるし、結核患者にガンが異常に少ないことから、丸山ワクチンと呼ばれる結核菌を使ったワクチンも生まれている。体内にあるカビ類や細菌ウィルス等の働きはまだ十分に解明されていないが、体験的に考えてみてもそれらの菌を排除するのではなく、共存する発想を持つことによって身体の健康は保たれていくのかもしれない。また、ウィルスの働きが、動物の肉体的な進化に関与していることは間違いないといわれている。体の自然な働きが、いかによくできているかを知ることによって、自分の体を信頼することを教えてくれる本。
野口晴哉 / 全生社
2200円(税込)
ほんの数十年前まで、家で子どもを産むことは珍しいことではなかった。『誕生前後の生活』の著者は、出産もまた健康の自然法として捉え、自然に則した出産は本来快いものだという。また、産む前から毎日毎瞬間、育てつつあるという自覚が出産には大切だという。痛みが誇張された現代の出産観が変わる、野口整体の愉気による出産前後の人間観をまとめた希有な一冊。
野口晴哉 / 全生社
2420円(税込)
長年の整体指導を通じて、一人一人の人間に接してきた著者は、個人の感受性に固有のクセがあると指摘し、繰り返されやすい生理的、心理的傾向、即ち体質や性格も、感受性のクセがもたらす現象として捉える。そしてこれらの現象をこまかく検討し、12種5類の体癖分類を体系化した。本書によって、読者は自分と隣人が、かくも異なった世界に住んでいるということに気づくだろう。
野口晴哉 / 全生社
1100円(税込)
「私はいつも人間の裡の能力を自覚し発揮することを説いている。何のために説くかといえば、ただそうせずにはいられない裡の要求によって、全生の道を説いているのである」という野口晴哉が、折にふれ、思いつくままに書き留めた原稿は、箱根記念館に全て保存されております。この書は昭和37年から50年にかけて、『月刊全生』の「巻頭言」及び、「語録」として掲載したものを纏めたものです。本書を読んで共感されたことを生活の中に活かして戴ければ、編者として、これにすぎる喜びはありません。 野口昭子(本書「序」より)
魔法のメガネ
物の見方、考え方
原作 桜沢如一 監修 陰陽研究会 / キラジェンヌ
1430円(税込)
人生という大旅行を迷うことなく航海するための羅針盤―それが陰陽の性質を見分け、偏りのないバランスのとれた世界観をもたらす<魔法のメガネ>。本書は、食物の陰陽にかぎらず、健全な精神を育て、ものごとの質を見分ける術「無双原理」を教える。マクロビオティックと呼ばれる正食の基本となる、すべてに共通する物の見方を知ることで考え方が変わってくるという。
永遠の少年
ベンジャミン・フランクリンの一生によせて
桜沢如一 / 日本CI協会
935円(税込)
貧困、病気、親との生き別れなど、多くの苦労をした少年が、『石塚左玄の食用法』という一冊の本と出会い、自身の糧としてゆく。本書は、晩年の著者が若い人に向けて残した「自由と幸福になるための秘密」。言葉遣いの端々に、彼の元気が溢れ出てくるようだ。
道(タオ)の原理
武道が伝える日本精神の源流
桜沢如一 / 日本CI協会
1601円(税込)
柔道、弓道、合気道、華道、茶道など、およそ「道」と名のつく日本古来からの術が、全て陰陽調和を根本とし、その源流ともいえる精神はみな同じものであることをマクロビオティックに照らし合わせて伝える。
ピアノへの旅
コモンズ:スコラ 音楽の学校 第18巻
坂本龍一 / アルテスパブリッシング
2200円(税込)
坂本龍一監修の音楽全集「音楽の学校=コモンズ・スコラ」が、プレイリストで音楽を聴きながら読む書籍としてこのVol.18からリニューアルされた。テーマはピアノで、研究者・上尾信也と音楽学者・伊東信宏がゲストとして招かれ、ピアノ成立史のミステリーに挑み、工業化の粋を極めたピアノとその音楽の本質を多彩な視点から語り合う。楽曲のCD音源ガイドを掲載し、SpotifyやApple Musicにプレイリストが用意されており、そこから紹介された音楽を楽しめる。
MUSIC MAGAZINE 2022年12月号
特集 坂本龍一
ミュージック・マガジン
880円(税込)
坂本龍一が70歳の節目を迎えたことを記念して、世界中のアーティストたちが集結して制作されたトリビュート・アルバム『A Tribute to Ryuichi Sakamoto – To the Moon and Back』が発売された。デヴィッド・シルヴィアンやサンダーキャット、コーネリアスなどの多彩なアーティストたちが、坂本の楽曲を新たにアレンジし、10年ぶりに歌声を披露したデヴィッド・シルヴィアンも参加している。また、参加アーティストたちの貴重なインタビューも掲載され、坂本の音楽の魅力が再認識される内容となっている。