『Interview Archive』は、
過去の『NewsLetter』に掲載されたインタビューです。
今回のインタビューは、2016年に行われたものです。
予めご理解のうえお楽しみください。

Interview Archive #36

今を生きるシャマニズム モンゴル編

ジャブジマ モンゴル国ブリヤートシャマン 

大地の上で、自然とともに遊牧生活を営んできたモンゴル人にとって、父なる天と母なる大地は、単に地平線で繋がっているだけでなく、見えないエネルギー=魂によって、互いにコミュニケーションをとり、調和とバランスを保っていると考えられてきた。またそのエネルギー=魂は命の象徴であり、「光」と「火」で現れるとされている。そのため、宇宙=天父と地母は、ひとつの火として信仰されてきた。宇宙の火と人間の火はつながりを持ち、また、すべての命は全体性=宇宙の中で生かされている。現在、世界の多くの場所でシャマニズムが注目を浴びている。混迷する21世紀の人類にとって、霊界と、私たちの暮らすいわゆる現世、その間を媒介する存在として、シャマン、そして彼らの持つ叡智が求められているのかも知れない。私たち現代社会に生きる人間にとって、大自然から生まれた宇宙観に生きる、モンゴルのシャマンの言葉はどのように響くだろうか。

互いに尊敬し、愛し合い、理解し合うことです。
ただひとつのものを崇拝するということではありません。
生活している環境に存在するすべてを崇拝し、尊敬することです。

『Book Club KAI News Letter Interview 』より

皆さん、こんにちは。モンゴル国から参りましたジャブジマと申します。ブリヤート部族の出身のオドゲン (女性シャマン) です。世襲型のブォ (シャマンの総称) で、祖父から受け継いでブォになった父が1981年に亡くなり、私がその年に父親の後を継いでブォになりました。現在は、国際チンギス・ハン子孫ブリヤート・シャマニズム「チナル」アカデミック研究協会の代表も務めています。我々の研究の目的は、大学などでシャマニズムについての講義を行い、その歴史と文化を伝えることです。2012年には、韓国、ロシア、内モンゴル、日本、イギリスなど、様々な国で講演を行うことを認可され、宇宙に動く魂と人間、そして自然のつながりの研究の成果が認められ、シャマン博士号を授与されました。地球に生きる動植物、水、山、人間を含むすべてに魂が存在しており、感受性があります。これらに魂が宿っていることをたくさんの研究者が証明してきました。私も同様の研究をしています。

私たちは、天に命じられて生命を受け、天と交信します。魂がなければ、あらゆるものは死んだ状態となります。魂があるからこそ生き生きと花が咲き、生命は繁栄します。私たちは、父なる天から魂と精神を、母なる大地から肉体と糧、栄養をいただきます。生きとし生けるものすべてがひとつのファミリーです。父なる天と母なる大地はつながっていて、私たちはそれに生かされています。音楽や芸術などにも魂があり、それが宿ることで作品となって生まれてくるのです。全世界220ヶ所にブォが存在することが、研究者の調査によって明らかにされています。日本の東北には、シベリアから海峡を通ってきたブォがいます。匈奴 (きょうど) の時代 (BC4~BC5世紀頃) にシベリアから広まりました。

シャマンに必要な資質は何だと思われますか?

先祖からの伝承があり、生まれつき何らかの芸術的な才能があることもそうですが、治療の才能があり、特に、感受性が優れていることが大事です。先祖の霊と自分の魂の力で、人々の質問や問題を、天の神や守護霊たち、そして宇宙にいる魂に届け、彼らからの情報を人々に伝えることができる、そういった感受性を持ち、生かすことができる人をブォと呼びます。私は現代医療から見放された患者を数多く治療しました。患者の肉体の病気を治療するためには、まず魂を治療します。そして、それに続いて肉体を治療します。この方法で多くの患者を治癒に導き、テレビ取材を受けるようになりました。私についてのドキュメンタリー番組が製作されたことがありますが、そのタイトルは「心に火をもつ」です。心に火を持っていれば、芸術品が生まれ、才能が発揮されます。皆さんの心の中に、いつも火があると思ってください。そうすることで魂の道から力をいただくことができます。しかし、私たちは天からのメッセージを聞き入れなくなりました。乗り物からまた次の乗り物へと移動し、いつも下ばかり向いています。もし太陽や月や星など天を見つめ天のメッセージを受け取り、草花や木々や動物たち、すべての存在を感じることができれば人間の感受性と意識は非常に高いレベルに達し生命エネルギーが活性化されるのです。

今年(2016年)4月、日本の熊本でも大きな地震がありましたが、いま世界各地で異常気象、地震や火山活動が活発になり、地割れや突然地面に穴が開くような現象も起きています。このような地球環境の変化について、シャマンの見解を聞かせてください。

母なる大地が傷つけられ傷んでいます。人間は過剰な欲によって金、銀、石炭、石油など自然の資源を取り過ぎています。人間の体は、骨、血液、脈、筋からできています。地球も同じです。私たちも脈や筋が切られると手足を動かすことができなくなるように、母である大地のお腹が傷つけられ痛み、元気を失いバランスが取れなくなったせいで地割れや大地に穴が開くなどの異常現象や砂漠化が進んでいる地域もあります。これは人間が母なる自然を愛さないことが原因です。私たちは母なる大地の声を聴き、愛さなければなりません。母なる地球を心から愛する人が、地球への愛、生きているこの土地への愛を10人に伝え、10人が100人へ、100人が1000人へ、1000人が1万人へと伝えていけば、大きな力になります。その精神を共有すれば、環境を保護することが可能だと思います。何より思いのままに地球から奪うのではなく、欲を抑え、必要以上のものを取らないことです。人は毎日の生活に追われて、自分のことしか考えられなくなりました。日々の暮らしの中で、地球を愛する精神とともに生きることが大事だと思います。天と大地の声を聴き感受するために自分に自信をもち、魂を認め、魂の声を聴き、先祖を感じ、土地を愛しましょう。私たちが食べているもの、飲んでいる水がどこから来ているのか、水がなければすべて枯れてしまうということを、身をもって理解しなければいけません。そして、まわりの人々に伝えてください。そうすれば母なる大地を守り子孫に残すことができます。また自分たちも子孫を残すことができます。

霊的なレイヤーから見て、現在の日本の土地や日本人をどのように感じますか。

日本は精霊が多く存在しているところですが、その精霊たちが少し暴れています。特に水の神である川、湖、泉、海の精霊たちです。暴れる理由は人間に起因しています。大地と水の神・精霊を尊敬し、愛し祭祀する必要があります。今は愛と祭祀が足りません。私から見れば、日本人はとても高い感受性を持っています。知恵が発達しており、天から受け取ったものがたくさんあります。礼儀も正しい。唯一、天地のエネルギーを自分に生かす精神が少し足りません。あるいは受け取ってもそれを認めたがらないことです。水の神に対しても同じです。

天地のエネルギーを生かすには、敬う気持ちがポイントのようですね。

はい、その通りです。人は父なる天と母なる大地から魂と肉体を得、臍で天と地とつながっています。そのため私たちの伝統では、天を男性原理、大地を女性原理として捉えています。男性は天の体をもち、女性は大地の体をもつと言われます。だから天を父なる天、父天と呼び、大地を母なる犬地、大地母と呼びます。私たちは天と大地のつながりでここに生きています。自分に自信を持ち、魂の力を信じ、生活に自信をもたなければなりません。身のまわりの環境を含めた自然を信じてください。感受性を生かしてください。そして天と地のメッセージを五感で感じとってください。人間は、そういったメッセージに気づけなかったり拒否しようとします。人間は同時に魂の意識と肉体の意識という二種の意識が並行して存在しています。肉体の意識は魂の意識に勝とうと間違った方向へと導きます。しかし魂の意識は天とつながっているので人を正しい方向へと導いてくれます。精霊が降りてくると、人間は詩歌や本を書き音楽が生まれます。降りてきた精霊を受け入れ、そして生かした人が芸術家になり、スターになります。特に傑作はそうやって生まれます。魂と人の心が大事です。今、母なる大地に生きている私たち全員に欠けていることは、魂と肉体のコミュニケーションです。肉体の意識が強まりすぎているため魂の意識が肉体の意識に引っ張られてバランスが取れない状態になっています。つまり魂が天地とつながったエネルギーを肉体に生かせず弱まっているのです。天から降りてきたメッセージを感じ取ったとしても、それが善いものなのか悪いものなのか葛藤が生じることがあります。これは魂の意識と肉体の意識のバランスがとれていないことが問題です。肉体の意識が強すぎると天から降りてきたものを肉体が排除しようとしますが、それは間違いです。降りてきたものをよく考え、そして正しいと思ったその道を選ぶことが大切なのです。

シャマンの仕事とはどんなものだと捉えていますか?

守護霊の力で困っている人を助け問題を解決することです。そして守護霊の啓示を人々に正しく伝えることです。病気であれば治します。善と悪は常に矛盾していますが黒いもの、すなわち障りを遠ざけて運を良くし仕事が順調に進むように道をつくります。依頼人の魂を守護霊の力で治療します。人類が誕生した時からブォがいました。世界のあちらこちらで発見された岩絵からもわかるように最初のブォは女性です。なぜなら天、太陽、大地、周囲の精霊に拝み、これらの守護を受けて自然の災害から子供と部族を守ってきたからです。このような天と地からの力を持つ人が部族の長でありブォでした。こういったブォのような人類のために貢献する人たちは皆生まれつき感受性が高い人ですが成功をおさめるには、先祖の霊を崇め先祖について正しい知識をもち感受性を磨き、それを生かすための努力は欠かせないものです。

依頼人の願い事が、他者の不幸になると思われる場合、どのような対応を取られますか?

あるものを奪い合っている場合は、魂を通じて誰のものかを見分け本当は誰のものかを依頼人の魂に意識させます。自分のものではないものを奪い取ろうとしている場合は、やめさせて正しいことをするように導きます。善と悪は昔から常に戦っています。自然の法則です。宇宙の引力のなかに善悪は混在しており化学で言うmolecule (分子) のように引き合いながら存在しています。宇宙、空、空間に無数の善と悪の精霊や魂が混じり合って存在し動いています。この引力の中で人間は魂の体を利用してバランスをとります。そのため治療の際は患者の魂を治療することで魂と肉体のバランスを調整し、私自身は守護霊を通じて日々宇宙とバランスを取っています。

シャマンは、自身の体を明け渡して別の存在から情報や力を受け取るというイメージがあるのですが、シャマンの修行の目的のひとつは体を明け渡しても、自分の魂がきちんと肉体に戻れるようにすることなのでしょうか? 守護霊が憑依すると自意識はありますか?それとも自分の意識はなく完全なトランス状態ですか?

守護霊が体に憑依してトランスに入った時に依頼人の依頼内容を守護霊に伝え自分の体を通して守護霊の教えを依頼人に伝えます。それは夢の中で喋っているような感じです。守護霊が降臨すると自分の体を守護霊に明け渡します。守護霊が本当に体に憑依しているかどうか、守護霊とコミュニケーションができているかどうかと半信半疑な態度を取ると成果が出せません。自分自身に自信をもち守護霊を信じなければなりません。心の成長が必要です。また自分を守護霊とつなげてくれる師匠の役割が大事です。もし師匠自身が守護霊に半信半疑で、よいコミュニケーションができていない場合、私と守護霊をうまくつなげることができません。ブォになり、そこから師匠になるまで10年から15年、時にはさらに長い年月を必要とします。

守護霊とはどんな存在で、どんな世界に住み何をするために降りてくるのでしょうか?

ここでオンゴンとオンゴッドという語の意味をはっきり区別しておく必要があります。オンゴッドは、オンゴンの複数形です。オンゴンは、霊魂、精霊、自然、初、ありのままという意味を含み、お墓のことも指しています。オンゴッドは、シャマンの守護霊を指す専門用語です。オンゴッドは天から降りてきた知恵です。宇宙空間のエネルギーの塊です。降りてきたものを左脳と右脳で受け入れることで成果が生まれます。その成果を「守護霊の成果」と言います。人間は肉体の体と魂の体があります。肉体に魂が宿っているからこそ生きた状態でいられます。魂がいないと命はありません。オンゴッド (守護霊) とは魂の体です。魂の体は死なず肉体の体が死にます。なぜ肉体が死ぬかというと魂が抜け出るからです。そして抜け出た魂が天に昇り守護霊になります。子孫や赤の他人に憑依して守護霊になります。魂が抜け出た肉体はオンゴン (墓) となります。その亡骸に、亡骸を守る霊魂がおり、それがオンゴンで、それにちなんで、墓と呼びます。魂がいなければ、あなたは存在していません。肉体から抜け出て宇宙に昇った魂は霊界で修行を積んで20、50、100年後に人間の体に守護霊として降りてきます。魂は宇宙の中で自由に存在しています。天へと上昇することもあれば地下にある地球の内部へと下降することもあります。先ほどお話ししたように広大な空間の中で分子のようにプラスになったりマイナスになったり引き合いながら動態的に交じり合い存在しています。その魂を自分の体に降ろすことができたら守護霊になります。それを降ろすには秀でた才能と高い感受性を必要とします。

守護霊とのコミュニケーションの中で、注意している事などあれば教えてください。

私の体に守護霊を完全に入れること、完全なるトランスにおいてブォは自意識がない状態です。その場合、守護霊が私の体をコントロールします。そのためにはまず自分の体をリラックスした状態にします。肉体の意識のままでいると守護霊の意識か自分の意識か、はっきりしなくなってしまいます。完璧なトランスでは私の魂と体に入った守護霊とが力を合わせて依頼人を助けます。もし入ってきた守護霊が依頼人を助けることができなければ私の魂がその守護霊を送り返します。この時に3つの意識が同時に進行しています。つまり魂の意識、肉体の意識、守護霊の意識です。肉体の体を使って魂が守護霊と交流しています。完璧なトランスになるには10年から15年かかります。その間に多くの試練を乗り越えなくてはなりません。肉体の受け入れる力を進化させていきます。守護霊を完壁に体に入れるには自分の魂を体から出して自分の肉体と守護霊を見つめる力を身につけなければなりません。統御する力です。守護霊を呼び寄せることができ、また守護霊を送り返すこともできなければいけません。その間、魂が肉体の意識をコントロールもします。長い修行を通じて自分の魂の体が肉体から抜け出て肉体を見つめる能力を獲得することができます。鏡で自分を見つめていることと同じです。そして大事なことは、それを行っている間、自分の魂を守り傷を負わせないことです。これには魂の成長が必要です。体から抜け出た魂は霊界へ旅することも地下や天を旅することもできます。でも重要なことは旅した後、魂が肉体に戻ることです。何の支障もなく戻る力が必要とされます。魂が肉体から抜け出て旅をしている間に肉体を驚かせたり怖がらせたりしてはいけません。もしそうなると肉体が傷つけられます。すると旅をしている魂も傷つけられて肉体に戻りにくくなります。魂が抜け出た後、魂が無事肉体に戻れるようにはっきりとした道をつくっておくことが大事です。そして魂が戻る前に、肉体を移動させると魂が肉体を見つけることができなくなり肉体に戻れなくなります。

普段は、一日をどんな風に過ごしていますか?趣味などありますか?

一日を通して、霊界と守護霊と皆さんの中で過ごします。生まれてから今まで、ずっと守護霊がいて両親にも守護霊がいました。そういう家庭で育ちました。守護霊の道と方法を用いて治療や整骨や祭祀をおこなったりするこの仕事がとても好きです。

儀式では2匹の蛇が肩に乗った衣装を纏われますが、どんな意味があるのでしょう?

蛇にはロス (水と大地の魂=神) を愛し、大事にしなさい。守ってください。ロスを祀ってくださいというメッセージが込められています。ロスがいないと私たちは生きていけません。水がないとすべて枯れてしまいます。ブォの仕事は「ホリスティック・全」です。ブォにとっては、普通の人間としての生活と自分の守護霊を含めた霊界との交流という二つの生が同時に進行しています。自然を愛し山と水を愛し人間同士が愛し合い土地を愛し、この地球にあるすべてのものを愛する総合体としてフォは存在しています。私の仕事は生活している環境に存在するすべてを崇拝し、尊敬することです。ただひとつのものを崇拝するということではありません。互いに尊敬し愛し合い理解し合うことです。今は自分のことだけに集中し自分のことだけで忙しい人ばかりです。自分と関係ないものに対しては無関心です。今日が良ければ良いなどと言って明日がどうなるかわからないままに生きています。これはいけないことです。すべてを愛し、尊敬し、つながって生きなさいということです。

シャマニズムにあまり馴染みがない人たちに向けて日常生活の中で「ブォ」の存在が象徴するホリスティックな世界をもっと身近に感じ、守護霊とのつながりを深めていくコツなどあれば教えてください。

少なくとも私たちの体には魂が存在しており、また魂は死後、守護霊になります。それを意識することです。守護霊がどういうものかを学び、自然を愛し、先祖を崇める意識を育てることです。ブォの役割とは、集まった霊界の心と人間の心を通じ合わせ調和した関係にすることです。そのつながりへの信仰が力となります。太陽、月、星のある宇宙そして地球とその大地、ロス、先祖の霊を含めまたすべてを尊敬することです。心の中で思い意識し祀ることが大切です。また守護霊の力を日々意識し信じることです。自分の魂を守り傷つかないようにします。毎朝太陽を見つめ毎晩星を見つめ、まわりの環境に関心を持ち大切にします。師匠が教えてくれたことですが普段の生活の中でも感受性を生かして自然のメッセージを受けとめ、受けとめたものを生かすことです。必ず信仰心を持つこと。半信半疑の態度を取るとメッセージを受けることができません。心を込めるとコミュニケーションができるのです。自分の意識と自分の精神すなわち左脳と右脳を清らかな状態にしておくことが大切です。また自分に自信をもち悩まないこと。明るく生きることです。

シャマンをしていて一番うれしかったこと、そして大変だったことを教えてください。

治療を施し患者が治癒した時、何よりうれしく感じます。患者を守護霊の力で治したので守護霊と一緒に喜び合います。それが私にとって何よりの喜びです。大変だったことは、1980年代、誰もブォの存在を認めようとしなかった時代に人々から理解されなかったことです。社会主義の時代には政府に反する存在とみなされていたので人から罵られることもありました。しかしそういう大変な時期でも自分のやっていることの意味に自信をもっていました。

地球の未来についてどのように感じられていますか。

まず母なる大地が平穏でいてほしいと願うばかりです。母なる大地が害に遭わないように人類が母なる大地を愛することを願っています。私たち一人ひとりが母なる大地のために何ができるかを考え行動することです。肉体が滅びても魂がふたたび母なる地球に戻ってきて生まれ肉体を得るのですから母なる大地が平穏でいれば私たちの魂は何千年、何万年も肉体を得続けます。ですから後々の自分の魂の生まれ変わりを考え皆が母なる大地を愛することを何より期待しています。

今から皆さんのために地の神々、宇宙の神々に祈りを捧げますので私が太鼓を叩いて祈っている間に皆さんはそれぞれの願い事を心に思ってください。良いことがありますように、体の悪いものが出ていきますように、健康でありますように、家族が幸せで健康でありますように、仕事がうまくいきますようにと祈ってください。目を閉じて手を開いてリラックスしていてください。天と地、月、自分の住んでいる土地の神々とご先祖に祈ってください。縁のある霊たちが戻ってきて見守ってくれます。私が祈りを終えたら皆さんは親指を中に入れて残りの4本の指で手の平を閉じておいてください。それでは魂の世界へ旅をしてまいりましょう。

(15分間、太鼓を叩いて、祈る)

どうもありがとうございます。皆さんそれぞれが自分の病気や痛みを自分自身の祈りによって出し、今後の生活のために祈り、神々や先祖 (守護霊) のエネルギーすべてを受け取ることができました。祈りによって感じたことやその後の良い変化について家族や友人に語り聞かせてもらえれば、私もうれしく思います。なぜなら私が皆さんのために祈ったものと皆さんが願ったものが力となって生活や健康や仕事、作品に生かされるからです。皆さんそれぞれの生活があり道がある中、私の祈りを受け取ってくれたことに心より感謝しています。物事に積極的に取り組んでいこうとする心構えを持ち元気よく力強く日々を過ごしてください。皆さんの幸せと健康、そして皆さんが生きがいを感じ仕事が順調に進むことをお祈りしております。

ありがとうございました。

ジャブジマ Javzmaa Udgan

プロフィール
1962年、16人兄弟の14番目としてモンゴル国ドルノド県ダンボラグに生まれる。世襲型シャマンの家柄出身。生後すぐ母親が2週間にわたって意識不明の状態に陥ったためシャマンの予言に従いシャマンの家系の家に養女として迎えられる。直後母親が回復。6歳から養祖父にシャマンの術を伝授され人や家
畜の治療を始める。1969年に養祖父が他界。その養祖父の霊を受け入れて養父がシャマンの跡を継ぐ。1981年、養父が亡くなり養祖父と養父の霊を守護霊とするシャマンになる。その後、生家先祖の霊をも守護霊として受け入れる。2010年、モンゴル国「透視と予言」大会の優勝者。国際チンギス・ハン子孫ブリヤート・シャマニズム「チナル」アカデミック研究協会代表。モンゴル国内だけでなく日本、ロシア、中国など海外でも精力的に治療と祈りを行っている。


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